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若手女流サクソフォーン四重奏団が奏でるハイドンとガーシュウィンのアレンジ作品

シレーヌQ

オランダの若手女流サクソフォーン奏者で結成されたシレーネ・サクソフォーン・クヮルテット。ソプラノ・サクソフォーンのフェムケ・イルストラは、結成34年を誇るオランダの名門アンサンブル、アウレリア・サクソフォーン・カルテットの2代目ソプラノ・サクソフォーンを担当している。当タイトルではハイドンの「弦楽四重奏曲」とガーシュウィンの「パリのアメリカ人」をテナー・サクソフォーンのアネリース・フリースヴァイクが編曲を行っている。オランダの作曲家、レオ・サママ(1951-)がシレーネ・サクソフォーン・クヮルテットの為に書き下ろした「シレーネ」の収録もポイント。特に「パリのアメリカ人」でのアンサンブル力の高さとハーモニーの美しさは必聴!日本語曲目表記オビ付き。
(東京エムプラス)

サクソフォーン四重奏曲といっても、一般的なクラシック・ファンにはピンとこない響きかもしれません。弦楽四重奏曲と同様にソプラノ、アルト、テナー、バリトンのサクソフォーン4人の編成から出来ている、れっきとした室内楽曲です。でも。ピンと来なくても無理はないでしょう。サクソフォーンという楽器の歴史は、発明されてからせいぜい170年足らず。通常のオーケストラには含まれておらず、ビゼーの“アルルの女”やラヴェルの“ボレロ”を演奏するときには、ゲスト・プレイヤーを呼ぶか、クラリネット奏者が持ち替えで吹いてしまうのが普通だからです。
とは申しましても、サクソフォーン・カルテット作曲の歴史はかなりなもので、楽器が発明されてから10年後の1850年代には、すでに結構な数の作品が書かれていたとか。お蔭でこのジャンルには、すでに千曲以上のレパートリーが存在するのです。なかでもサクソフォーン四重奏曲の二大名曲といえば、グラズノフ(1932)とフローラン・シュミット(1941)の作品でキマリでしょう。どちらも当時のパリで絶対的な人気を誇っていた「サクソフォーンの父」マルセル・ミュールが率いるギャルド・レピュブリケーヌ・サクソフォーン四重奏団に触発されたものだそうです。
それとは反対に、吹奏楽ファンは知らなくて、クラシック・ファンなら誰もが聴き知っているサクソフォーン・クァルテットが加わった名曲があります。リヒャルト・シュトラウスの“家庭交響曲”がそれ。この作品には他にもオーボエ・ダモーレのような珍しい楽器が使用されていて、オーケストレーションの達人を自認していた作曲家が、いろいろな楽器を総動員してみたくてサクソフォーン四重奏も登場と相成ったのでしょう。
アマチュアには人気抜群のサクソフォーン四重奏ですが、プロのアンサンブルとなれば、日本ではやはりトルヴェール・クァルテットの知名度がダントツでしょう。しかし、ブラバン女子というのは、日本の女子中高生だけかと思いきや、ヨーロッパでも事情は似ているのかも。オランダの美人奏者4人が結成したシレーネ・クァルテットのこれからに注目です。
(タワーレコード)

【収録曲目】
ハイドン(フリースヴァイク編):弦楽四重奏曲第31番 Op.20-1
レオ・サママ:シレーネ
ガーシュウィン(フリースヴァイク編):パリのアメリカ人
【演奏】
シレーネ・サクソフォーン・クヮルテット
 フェムケ・イルストラ(ソプラノ・サクソフォーン))
 フェムケ・スティケティー(アルト・サクソフォーン)
 アネリース・フリースヴァイク(テナー・サクソフォーン)
 アウクリーン・クラインペニング(バリトン・サクソフォーン)
【録音】
2016年5月23-24日、オランダ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年09月11日 00:02