歴史的大発見!クーレンカンプ&ベームのシューマン:ヴァイオリン協奏曲1937年初演ライヴ
シューマンのヴァイオリン協奏曲はヨアヒム(1831-1907)に献呈され、手稿譜もヨアヒムに渡されましたが、ヨアヒムの息子からベルリンの図書館に売り渡された後なぜかシューマンの没後100年まで演奏禁止とされていました。ところがナチスが権力誇示のため100年が経過していないにもかかわらず1937年に初演させました。初演者のクーレンカンプは初演直後にシュミット=イッセルシュテットとの共演でTELEFUNKENにこの作品をセッション録音していますが、この録音は何と初演のライヴをPODIUM社主宰者のヴォルフガング・ヴェンデル氏が放送録音が存在するはず、という推測の元執念で探しだしたものです。当時のドイツの録音技術も素晴らしく、音質も鑑賞に問題はありません。特殊な状況の初演ライヴということで異様な緊張感をたたえており、セッション録音とは一味も二味も違った演奏となっています。
カップリングもかなりマニアックです。まずシューマンのチェロ協奏曲のヴァイオリン版。これも楽譜が1987年に新発見されたものでサシュコ・ガヴリロフによって初演されました。この録音はなんとその初演時のゲネプロ(総練習)のものです。ゲネプロの音源のため、途中関係者(指揮者?)の声が聞こえたりしますが、初演の緊張感がかえって伝わってきます。
続いてクーレンカンプによるシューマンの珍しい小品でシュミット=イッセルシュテットとの共演です。
最後はシューマンのヴァイオリン協奏曲初演者で手稿譜も持っていたヨアヒムによるハンガリー舞曲の演奏です。ブラームスやシューマンと直接親交のあったヨアヒムの貴重な録音。1903年とかなり古い録音ですが、リマスタリングにより意外と聴ける音質になっています。
PODIUM社主宰者ヴォルフガング・ヴェンデル氏による99ページにも及ぶ解説付き(但し全編ドイツ語)。そのため1枚ものですが、豪華BOXに収納されています。
(東武トレーディング)
【収録情報】
「シューマン:ヴァイオリン協奏曲集」
(1)ヴァイオリン協奏曲ニ短調
(2)ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.127(原曲:チェロ協奏曲)
(3)12のピアノ小品~「夕べの歌」(ヴァイオリン版)
(4)ブラームス:ハンガリー舞曲第1、2番/ヨアヒム:ロマンス
(1)ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)カール・ベーム(指揮)ベルリン・フィル
録音:1937年11月26日初演ライヴ
(2)サシュコ・ガヴリロフ(Vn)ヴァルター・ギレッセン(指揮)ヴェストファーレン交響楽団
録音:1987年11月29日(ゲネプロ※なので人の声も入っています)
(3)ゲオルグ・クーレンカンプ(Vn)、ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)ベルリン・フィル
録音:1935年
(4)ヨーゼフ・ヨアヒム(Vn)
録音:1903年8月27日
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年09月30日 15:00