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ベルリオーズの「幻想交響曲」 ~ラバンディエによる室内合奏版~

ル・バルコン

ただの「室内楽編曲」ではない!
新境地ベルリオーズ、Alphaが満を持して音盤化。
いかんなき傑作の変容!
フランスの王政復古期――それは同時に、ロマン派音楽の新たな息吹がひそかにこの国でも準備されつつあった時代にほかなりません。今や秘曲の数々を中心にめざましい勢いで再評価が進む19世紀フランス音楽、しかしそこで昔から全く存在感を失わず注目されてきた唯一の存在と言っても過言ではないベルリオーズに対して、この国の音楽シーンはすでに新たなかたちでのアプローチさえしはじめているようです。
20世紀末から21世紀初頭にかけては、幾人かの現代音楽家たちがこの作曲家の重要な管弦楽作品を新たな視点から室内楽編成に編曲、思いがけない成果をあげてきたものですが、ここではベルリオーズによる初演時にも時代に風穴をあけた象徴的傑作『幻想交響曲』を全編、各楽器ひとりずつの室内編成で「編曲」というより「翻案」に近い再構成で聴かせるのです――指揮者マクシム・パスカル率いるル・バルコンは全20人編成、ギターや打楽器も導入(!)それがまったく不自然でない新時代型のサウンド作りの、なんという面白さ!玄人筋の音楽ファンなら「Alphaレーベルが音盤化の企画に乗った」というその一事から、このただならぬ瞠目盤の魅力を嗅ぎつけるはず…注目です!国内仕様盤・日本語解説付。
(マーキュリー)

大きいものは小さく。小さいものは大きく。どうも人間はこの天邪鬼願望というものから逃れられない生き物のようです。それは音楽の世界もご同様で、一人で演奏するための楽曲を大オーケストラにアレンジし、オーケストラ作品を自分ひとりで演奏したくなる。前者ならラヴェルが編曲した「展覧会の絵」や、バッハの鍵盤作品を現代オーケストラ用に編曲したストコフスキーが代表例。後者ならベートーヴェンの交響曲や、この幻想交響曲までもピアノ一台で演奏してしまったリストを例に挙げれば充分でしょう。
もちろん、必要は発明の母という事例もたくさんあります。マーラー好きならよくご存じの、シェーンベルクによる「大地の歌」の室内楽アレンジはその最たるもの。音楽私的室内楽協会のために1920年に着手した編曲作業は結局、完成をみることがなく後年、リーンの手によって補筆・出版されました。1人ずつの弦楽五部、オーボエ、フルート、クラリネット、ファゴット、ホルンといった5人の管楽器、それにピアノ、ハルモニウム、パーカッションが加わるという13人編成です。すっきりと見通しの良い響きは、歌手とのバランスも良好。ヘレヴェッヘやルイージのようなビッグネームも録音しておりますので、まだの方は是非お聴きになってみてください。
このシェーンベルク編曲版とほぼ同様のサイズで、すでにリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」などをコンサートで披露しているアンサンブル・ル・バルコンは、どうやって聴衆をたのしませ、どう裏切ってくれるのでしょうか? 小型サイズ幻想交響曲の予行演習をご希望の方には、モダンの室内オケを振ったティチアーティ盤や、オリジナル楽器の室内オケを振ったインマゼール盤といった素晴らしい演奏をお奨めいたします。
(タワーレコード)

【収録曲目】
ベルリオーズ
幻想交響曲 Op.14
~ラバンディエによる室内合奏版~
【演奏】
マクシム・パスカル指揮
アンサンブル・ル・バルコン
【録音】

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年10月03日 00:00