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メルヴィン・タンがピアノ音楽の歴史のひとコマを綴る『師と弟子~ベートーヴェン、ツェルニー、リスト』

タン

ノリントン&LMPとのベートーヴェンに代表される斬新な演奏を世に送り出し、フォルテピアノ、ピリオド奏法の第一人者としての地位を確立させたシンガポール出身の名匠、メルヴィン・タンがオニックス(ONYX)初登場!メルヴィン・タンがモダンピアノ、スタインウェイで奏でるプログラムのテーマは「師と弟子」。ベートーヴェンからツェルニー、そしてリストへと受け継がれていった至芸、そして18世紀のピアノ音楽の歴史を、メルヴィン・タンが丁寧に紡いでゆく。ピアノ・ファン要注目!
(東京エムプラス)

幼少の頃に故国シンガポールを離れて、ロンドンに移り住んだピアノの天才少年、メルヴィン・タンは今年で還暦を迎えました。日本の音楽ファンにとって、彼の存在は圧倒的にフォルテピアノ奏者としてのものでしょう。
1980年代に続々とリリースされたノリントン指揮、ロンドン・クラシカル・プレイヤーズと共演したCDは、特にピアノ好きの間で賛否両論を巻き起こしました。それが頂点に達したのは1989年に来日した折、フォルテピアノでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会を催したときのこと。指が回り切ってしまうからこそできるハイスピードなテンポのスタイルと、かなりの頻度で訪れる没我的な、耽美的とも言える瞬間との乖離に、ドイツ本流のベートーヴェンをイメージしていた人々はとまどいを隠しませんでした。しかし、タンの繊細な指から紡ぎだされる、この重量を感じさせない幻想味こそが、ヨーロッパでの彼の人気の根源だったのかも知れません。
そう言ってしまえば、タンの魅力は西洋的な論理性と相容れない、東洋的な神秘性に求められているかのように思われてしまいますが、それではまったく真実を語っていないことになってしまいます。タンはメニューイン音楽学校で教えを受けたナディア・ブーランジェ女史や、ヴラド・ペルルミュテールの優秀な弟子でした。まずピアノを弾いて自分が出した音をよく聴くこと。そして、その音を分析して、なぜ作曲家はこの音の連なりを楽譜に書いたのかを考えること。感情表現はそれがすべて出来上がってからのことである。フランス式とも言える理知的な音楽教育法は、現在もタンの演奏活動に影響を及ぼしているそうです。
当時のインタビューでタンが明かしたのは、フォルテピアノとの出会いは、BBCに依頼されて放送用に試し弾きした偶然の産物だそうで、それがすべてではないということ。その言葉を裏付けるように、1990年代半ばからは演奏の主軸を現代のコンサートグランドに戻し、今ではバロックからメシアンまで幅広いレパートリー誇るピアニストとして活動を行なっています。
(タワーレコード)

【収録曲目】
ベートーヴェン:6つのバガテル Op.126
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
ツェルニー:ロードの主題による変奏曲 Op.33
ツェルニー:ベートーヴェンのある英雄の死を悼む葬送行進曲 Op.146
リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
【演奏】
メルヴィン・タン(ピアノ/スタインウェイ)
【録音】

掲載: 2016年10月15日 00:00