ブリテンの後継者と目されている英国の作曲家ジョナサン・ダヴの新作はカンタータ“無名戦士のために”
グラインドボーン音楽祭からの委嘱作品「フライト」(1998年)でブレイクを果たした現代イギリスのリーディング・コンポーザーの1人、ジョナサン・ダヴ(1959-)。
今回の新録音では、ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズの委嘱作品となるカンタータと、名匠メルヴィン・タンの参加も要注目の室内楽作品をカップリング。2015年9月の録音。
(東京エムプラス)
【収録曲目】
ジョナサン・ダヴ(1959-)
カンタータ“無名戦士のために”
2本のホルン、弦楽四重奏とピアノのための“モーツァルトからの手紙”
【演奏】
ニッキー・スペンス(テノール)
メルヴィン・タン(ピアノ)
ニコラス・クレオバリー(指揮)
ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ
オックスフォード・バッハ合唱団
ポーツマス・グラマー・スクール室内合唱団
【録音】
2015年9月
ヨーロッパのオペラ界で「ベンジャミン・ブリテンの正統的な後継者」と目されているジョナサン・ダヴの最新作は、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズから委嘱されたカンタータ“無名戦士のために For An Unknown Soldier”です。
建築家を両親として1959年、ロンドンに生まれたダヴは少年時代、ピアノとオルガン、およびヴィオラのレッスンを受けました。ケンブリッジ大学でロビン・ホロウェイに師事。卒業後はグランドボーン・オペラに伴奏ピアニスト兼アレンジャーとして採用され、1987年まで働きます。1990年頃から小規模なオペラ作品を書き始めますが、最初の成功はグラインドボーンの委嘱を受けたオペラ“フライト Flight”(1998)でした。現代最高のコミックオペラ(喜歌劇)という評判をとった“フライト”はヨーロッパのみならず、北米やオーストラリアのオペラハウスで上演を繰り返しています。そして、世界中のファミリーのために書いたという“ピノキオの冒険”が2007年に初演され、ダヴのオペラ作家としての地位を不動のものとしたのです。
すでに15作を数えるオペラの他にも、ダヴは合唱作品の作曲家としても人気を博していて、クリスマス・キャロル“3人の王”、ミサ・ブレヴィス、2つの合唱および2台のピアノと打楽器のための“スターゲイザー”などは、世界中の合唱団で歌われている名曲。
このCDのメインであるカンタータ“無名戦士のために”は、メルヴィン・タンが音楽監督を務めていたロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの委嘱作品で、カップリングの室内楽曲ではタンがピアニストとして参加している点にも注目です。
(タワーレコード)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年11月01日 00:00