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ヴェルサイユ宮で催された豪華共演!『LA HARPE REINE/王妃のハープ~マリー・アントワネットの宮廷の音楽』

メストレ2

LES ARTS FLORISSANTS & WILLIAM CHRISTIE シリーズの新譜は、なんとハープのメストレをゲストに迎えての1枚。タイトルに「王妃のハープ」とあるように、マリー・アントワネット (1755-1793)と、彼女が愛した楽器、ハープの楽曲をおさめた内容です。2016年6月に行われた演奏会のライヴ録音。
1曲目の作曲家クルムフォルツは、ボヘミア出身の作曲家でありハープ奏者。楽器製作者とともに、ハープの改造や奏法に取り組み、それまでになかったハープのための作品を残しています。クルムフォルツが対位法を師事したのが、作曲家ハイドン。マリー・アントワネットが気に入っていたとされる交響曲第85番を収録しています。クリスティによるシンフォニーの録音ということで、注目のプログラムといえましょう。荘重なアダージョを経て軽快なヴィヴァーチェとなる第1楽章から、楽器間のアンサンブルも十分にたのしめる演奏。終楽章の最後まで、快活さと典雅さを感じさせる演奏です。
ドイツ人のヨハン・ダヴィド・ヘルマンは、アントワネットのピアノ教師で、作曲家。自身はハープ奏者ではありませんでしたが、3つのピアノ・ソナタ、3つのピアノ協奏曲のほか、3つのハープ協奏曲をのこしています。このハープ協奏曲はすべてルイ14世の妹(ハープ奏者)、つまりアントワネットの義妹にささげられています。今日ハープ奏者にも知られざる存在の作品ですが、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲と同様、ハープ奏者ではない作曲家によるハープ作品、ということでも重要な作品です。
演奏会でアンコールとして演奏されたグルックの「精霊の踊り」は、メストレ自身の編曲によるハープ独奏版。メストレの歌心に胸を打たれるトラックです。
(キングインターナショナル)

現代最高のハーピストとの呼び声が高いグザヴィエ・ドゥ・メストレは、フランス地中海の都市トゥーロンの生まれ。9歳からハープを始め、長じてパリでジャクリーヌ・ボロー、カトリーヌ・ミシェルに師事。その一方でイギリスに渡り、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで政治経済を学んだという才人です。
1998年に世界最高の権威を誇るUSA国際ハープ・コンクール(ブルーミントン)で第1位。22歳でロリン・マゼール時代のバイエルン放送交響楽団にソロ・ハーピストとして入団。25歳のとき、ウィーン・フィルのソロ・ハーピストに就任しました。
ソリストとしての活動も華々しいものがあり、2002年にはプレヴィン指揮のウィーン・フィルでヒナステラのハープ協奏曲を演奏しました。これはウィーン・フィルが初めてハープ協奏曲を演奏したものとして、楽団の歴史に大書されるべき功績です。また、2005年には来日して、NHK交響楽団とボアエルデューのハープ協奏曲を共演しています。
古楽から現代音楽まで、あらゆる時代のハープ作品を掘り起こしては演奏・録音するエネルギッシュな活躍ぶりは、まさに最高のハーピストの名に相応しいものでしょう。
(タワーレコード)

【収録曲目】
ジャン=バティスト・クルムフォルツ(1747-1790)
ハープ協奏曲第5番変ロ長調 Op.7(1778)

ハイドン
交響曲第85番変ロ長調 Hob.I:85「王妃」(1785)

ヨハン・ダヴィド・ヘルマン(1760?-1846)
ハープとオーケストラのための協奏曲第1番ヘ長調 Op.9(1785-1789)

グルック
精霊の踊り~歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より(編曲:メストレ)
【演奏】
グザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ)
ウィリアム・クリスティ(指揮)
レザール・フロリサン
【録音】
2016年6月27-28日、ヴェルサイユ宮殿王立歌劇場、ライヴ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2016年10月16日 00:00