ガベッタがラトル&BPOと共演したエルガー:チェロ協奏曲LIVE!カップリングはマルティヌーの第1番
今や現代のジャクリーヌ・デュ・プレともいわれるほど実力と人気をもつチェリスト、ソル・ガベッタ。このアルバムは、エルガー、マルティヌーという2曲のチェロ協奏曲を2014年にライヴ収録したもの。しかもオーケストラはベルリン・フィルです(ソル・ガベッタとは初共演)。ソル・ガベッタは、2009年にすでにヴェンツァーゴ指揮デンマーク放送響とエルガーのチェロ協奏曲を録音しており、非常に高評価を得ていますが、今回はラトル&ベルリン・フィルとの共演。非常にロマンティックで情熱的なチェロの響きは、まさにこの作品の本性を表した名演です。そしてマルティヌーは、エルガーの翌月にウルバンスキがベルリン・フィルにデビューした定期演奏会のライヴ。チェコの国民音楽と20世紀の音楽イディオムを融合したこの協奏曲を、深い抒情性の見事な表現力で演奏していきます。
(ソニーミュージック)
【収録予定曲目】
エルガー:チェロ協奏曲ホ短調 Op.85
マルティヌー:チェロ協奏曲第1番ニ長調 H.196
【演奏】
ソル・ガベッタ(チェロ)
サー・サイモン・ラトル(指揮:エルガー)
クシシュトフ・ウルバンスキ(指揮:マルティヌー)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
2014年4月、バーデン=バーデン祝祭劇場、イースター音楽祭でのライヴ(エルガー)
2014年5月、ベルリン・フィルハーモニー、ライヴ(マルティヌー)
第一次世界大戦の惨禍に戦慄を憶えたエルガーが、深い哀悼の意味を込めてチェロ協奏曲の作曲を終えたのは1919年のこと。当時はバリバリの現代音楽だったこの作品の初演は、残念ながら華々しい成功を収めることができませんでした。そんな評価の定まらない協奏曲を積極的に演奏し、徐々にその真価を知らしめる役割を果たしたのが女流チェリスト、ビアトリス・ハリスンでした。1919年、1928年と2度のSP録音は、エルガーの作品を世界中の音楽ファンに届けることになったのです(ちなみに有名なカザルスのレコーディングは、それよりもずっと後の1945年のこと)。
それ以来というもの、エルガーの協奏曲はチェロの女神たちのものとなりました。ジャクリーヌ・デュプレの存在は言うに及ばず、カナダのザラ・ネルソヴァもまたエルガーの演奏で大きな評判をとった女流です。
現代の女神の一人、ソル・ガベッタはキャリアの早い時期に、この協奏曲をセッション録音しています。指揮のラトルも、1999年にトルルス・モルクとセッション録音を行なっておりますので、両者の共演がコンサートでどんなパフォーマンスを聴かせてくれたのか、興味津々の一枚となっています。
(タワーレコード)