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スーサイド・サイレンス、クリーン・ヴォーカルに焦点を当てた衝撃の新作

Suicide Silence

 

米国カリフォルニア州で2002年に結成されたスーサイド・サイレンス。2005年にデビューEPを発表、2007年にはデスコア界のマスターピース『ザ・クレンジング』で華々しくデビューを飾る。その後も『ノー・タイム・トゥ・ブリード』(2009年)、『ザ・ブラック・クラウン』(2011年)とコンスタントにリリースを重ねたバンドは人気、実力ともにUSデスコア界の中心的存在としてシーンを牽引していく。

しかし、2012年11月1日にオリジナルメンバーだった看板ヴォーカリスト、ミッチ・ラッカーがバイク事故で急逝。バンドの存続すら危ぶまれるほどの大きな事故だったが、その直後のメモリアル・ライヴの開催をはじめとした周囲の支えもあり復活を決意!元オール・シャル・ペリッシュのエディ・ヘルミダを新メンバーに迎えた新体制で4作目『ユー・キャント・ストップ・ミー』を完成させ、過去最高の全米16位を記録した。

バンドが満を持して2017年2月にリリースするのが約2年半ぶり5作目となるセルフタイトル作『スーサイド・サイレンス』だ。『ユー・キャント・ストップ・ミー』はミッチへの追悼盤という位置付けだったが、今作は現在進行形のスーサイド・サイレンスを映し出した作品となる。“アルバムの70%がクリーン・ヴォーカルだ”とドラマーのロペスが語るように、過去の作品から大きく方向性を変えた驚きの内容はバンドの歴史の中でも重要な作品になるだろう。

さらに注目なのが、今作のプロデューサーであるロス・ロビンソンの存在だ。スリップノットやコーン、リンプ・ビズキット、ソウルフライといったワールドクラスのバンドのデビュー作を手がけた名匠との仕事は初となるが、ロスの得意とするヘヴィで陰鬱な世界が見事に描かれている。

クリーン・ヴォーカルという新たな武器を手にした今作が、デスコア界に波紋を呼ぶことは間違いない。これはエディが既にバンドの重要なメンバーだという証明であり、バンドがデスコア界の高みに立っていようとも、そこに留まることを潔しとしない姿勢の表れでもある。最新作『スーサイド・サイレンス』は、それを行動で示した作品なのだ。

日本語解説書封入/歌詞対訳付き

 

 

 

 

 

掲載: 2017年03月07日 18:04