ベルリン古楽アカデミーによるテレマンの多数の楽器のための協奏曲集
1982年創立の名門、ベルリン古楽アカデミー最新盤。テレマンの多数の楽器のために書かれた協奏曲を集めたプログラムで、各奏者が繰り広げる文句なしの超絶技巧と愉悦の音楽を堪能できます。
少し珍しい楽器も取り上げられているのもまたおもしろいところ。TWV53:h1 に登場するカルケドンは、リュートの仲間。テレマンは400もの楽曲にこのカルケドンを指定しており、通常はバス声部を担当させていますが、時にハーモニーを奏でるためにも用いています。カルケドンには様々な種類がありますが、テレマンの楽曲の音域などから、6弦・ロングネックの「ガリツォーナ」として知られる楽器を念頭に置いていたと考えられます。この録音では、1718(または1728)にプラハで作られた楽器のコピーを用いて、ソナタのバス声部を演奏しています。通常のリュートよりも少し低く太めでどこか素朴な味わいのある音色、注目です。他にもマンドリンとハンマード・ダルシマーが登場する協奏曲も、どこかオリエンタルな響きのする楽しい仕上がり。ベルリン古楽アカデミーによる愉悦の極みのテレマン、注目です!
(キングインターナショナル)
【曲目】
協奏曲 TWV54:D3 ニ長調[トランペット3、ティンパニ、オーボエ2、弦、通奏低音]
協奏曲 TWV53:h1 ロ短調(ドレスデン版)[フルート2、カルケドン、弦、通奏低音]
協奏曲 TWV44:43 変ロ長調[オーボエ3、ヴァイオリン3、通奏低音]
ソナタ TWV44:32 ヘ短調[ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ、通奏低音]
協奏曲 TWV53:F1 ヘ長調[マンドリン、ハンマード・ダルシマー、ハープ、弦、通奏低音]
協奏曲 TWV53:d1 ニ短調[オーボエ2、バソン、弦、通奏低音]
協奏曲 TWV54:D2 ニ長調[ホルン3、ヴァイオリン、弦、通奏低音]
アダージョ(協奏曲 TWV 43: G5 ト長調より)[ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、通奏低音]
【演奏】
ベルリン古楽アカデミー
【録音】
2016年9月、テルデックス・スタジオ(ベルリン)
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2017年04月11日 00:00