米エモ・バンド、ブラン・ニュー(Brand New)が約8年振りの最新アルバム『Science Fiction』をリリース
2017年8月、Brand Newはインスタグラムで2017年10月にニュー・アルバムをリリースすることを突如発表。8月17日には、ニュー・アルバムの限定アナログ盤の予約者に『44.5902N104.7146W.』と題された1曲入り61分のCDが送付された。この<44.5902N104.7146W.>は、1977年のスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』で宇宙船の降りる場所として描かれたデビルズタワーの座標値で、この音源をファンの一人がライヴ・ストリーム。それをShazamで確認すると、アルバム・タイトル“Science Fiction”とアート・ワーク、そして収録曲目の一部が明らかとなり、『44.5902N104.7146W.』はニュー・アルバム『Science Fiction』であることが判明した。
翌8月18日、バンドはアルバムのダウンロード販売を開始。アルバムはダウンロード/ストリーミングのみで全米アルバム・チャートの1位を獲得。フィジカルのリリースなしで1位を獲得した2017年初のロック・アルバムとなった。メディアもアルバムを絶賛し、Pitchforkは「Same Logic/Teeth」をベスト・ニュー・トラック、アルバムをベスト・ニュー・アルバムに選び、Uproxxは『Science Fiction』を<emo『Abbey Road』>と評した。この度、この歴史的作品がフィジカル(CD/LP)でもリリースされる。
【Brand New /ブラン・ニュー】
Brand Newはニューヨーク州ロングアイランドで2000年に結成された。現在のメンバーはJesseLacey(Vo/G)、Vincent Accardi(G)、Garrett Tierney(B)、Brian Lane(Dr)の4人。2001年にTriple Crown Recordsよりデビュー・アルバム『Your Favorite Weapon』をリリース。アルバムはポップな楽曲が収録されたエモの作品として、シーンの界隈では話題となった。2003年にはセカンド・アルバム『DejaEntendu』をリリース。前作からサウンド的な変化をとげ、ダークでよりエモーショナルとなったこの作品は大きな評価を獲得。2枚のシングル(「The Quiet Things That No One Ever Knows」「Sic Transit Gloria... Glory Fades」)は英シングル・チャートでトップ40ヒットを記録し、アルバムは全米でゴールド・ディスクとなった。メジャーのInterscopeRecordsに移籍したバンドは、2006年にサード・アルバム『The Devil and God Are Raging Inside Me』をリリース。様々なジャンルを呑み込み、更にダークでヘヴィー、そして精神性の世界に深く入っていったこのアルバムは、商業化したエモへの大きなアンチテーゼとなり、全米チャートの31位を記録。バンドはエモというジャンルを超え、独自の領域へ足を踏み入れることとなった。2009年には4枚目のアルバム『Daisy』をリリース。前作をより深化させたこの作品は、全米チャートの6位を記録し、バンドは完全に孤高の存在へと昇り詰めた。その後、BrandNewは5枚目のアルバムの制作に入るも、幾度となく作業は頓挫し、Interscopeからもドロップ。2016年に発売されたバンドのTシャツには「BRAND NEW2000-2018」とプリントされ、新しいアルバムをリリースしないまま2018年にバンドは解散する、との噂が流れていた。
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掲載: 2017年10月30日 12:04