ジョー・ストラマー(Joe Strummer)の新マスタリング、未発表音源を収録したコンピ・アルバムが登場
パンク界のパイオニア、シンガー、ソングライター、レコーディング・アーティスト、活動家、ある世代の音楽的・政治的インスピレーションでもある、最もカリスマ的で情熱的なフロントマン=ジョー・ストラマーのザ・クラッシュ時代の作品以外のキャリアを網羅した初のコンピレーション作品『JOE STRUMMER 001』の発売。
本作品には、The 101ersやザ・メスカレロス時代の録音、ソロ・アルバム全作、サウンドトラックなどから、ファンの間での人気曲とともに、未発表楽曲や、新たにマスタリングを施された楽曲が収録される。本作独占で収録されるのが、アルバム1枚分の未発表音源(CD2)。“Czechoslovak Song / Where Is England(チェコスロヴァク・ソング/ホェア・イズ・イングランド)”とタイトルのついた“This Is England(ディス・イズ・イングランド)”の1/2インチ・テープに録音された初期のデモ、1975年にエルギン・アヴェニュー101番地で録音された“Letsagetabitarockin'(レッツァゲッタビッタロッキン)”のソロ・デモ、ミック・ジョーンズをフィーチャーした“シド&ナンシー”のアウトテイクや未発表曲“Rose Of Erin(ローズ・オブ・エリン)”、自伝的で伝説上の存在だった“The Cool Impossible(ザ・クール・インポッシブル)”、そして2002年録音、ジョーが最後にレコーディングした曲のひとつで、『JOE STRUMMER 001』に収録された中では最後に発見された“London Is Burning(ロンドン・イズ・バーニング)”など12曲が収録される。
更にデラックス・ボックス・セットには、2CDに加えて、LP×3、12インチ・シングル・レコード、7インチ・シングル・レコード、カセットが収録される他、A4サイズ・ハードカバー・ブック、ジョーの運転免許証のレプリカ、ステッカー、ピンバッチ等の特典も満載。
2002年12月にジョーが不慮の死を遂げてから判明したのは、ジョーが自身の作品を多数アーカイヴしていたということだった。自宅裏庭の納屋は書いた曲やテープでいっぱいになっていた。現在ジョー・ストラマー・アーカイヴには2万以上のアイテムが存在する。この素材のアーカイヴ作業と『JOE STRUMMER 001』の制作はジョーの未亡人ルースとロバート・ゴードン・マクハーグ3世が監修を行った。修復とマスタリングは全曲グラミー賞受賞歴のあるピーター・J・ムーアがカナダはトロントのE・ルームにて行った。カセットや録音テープを調べているうちに明らかになったのは、ジョーがかなりの倹約家であり、楽曲を隠すことに懸命だったということだった。
彼は、カセットでは曲と曲の間を20分空けていた。1インチの8トラック・テープでは、隠れた楽曲が互いに重なり合って録音されていた。例えばトラック1~4は1つの曲に占領されている一方、トラック5~8は別の2曲で占められているが、再生されるとテープの傷によって2曲に聞こえると思われていたのが、ピーター・J・ムーアの手にテープが渡ると、彼はそれを2つの曲に分離することができた。ボックス・セット及び同時に発売となるデラックスCDに同梱されるA4サイズの本はジョーの個人的コレクションからのレアおよび未発表の思い出の品々や、歴史的な媒体レビュー、アルバムについての技術的なメモなどが掲載される。ジャケットには、1990年に発行されたジョーのカリフォルニア州の運転免許から抜粋されたものが使用される。アート・ワークのキュレーションはロバート・ゴードン・マクハーグ3世が担当。過去にはポール・シムノンと共にザ・クラッシュの『サウンド・システム』ボックス・セット、ジョン・クーパー・クラークのコンピレーション『アンソロジア』を手がけており、ブラック・マーケット・クラッシュ展のキュレーションも行った。ゴードンはこう語る。「この本の裏にある意図は、まるでジョー自身がデザインして、自分のストーリーを伝えているかのようなA4判のノートを作るということなんだ。願わくはこれが彼の作品への洞察になるといいね。手書きの歌詞や、個人的なメモ、落書きなんかも入るんだ」。
<デラックス・ボックスセット仕様>
・2CD
・3LP
・12インチ・シングル・レコード
・7インチ・シングル・レコード(未発表デモ音源)
・カセット(未発表デモ音源)
・A4サイズ 64ページ ハードカバー・ブック
・ジョー・ストラマーの運転免許証のレプリカ
・アートプリント
・ステッカー
・ピンバッチ