上野耕平が藝大時代の仲間と組んだザ・レヴ・サクソフォン・クヮルテットのセカンド・アルバム
バッハ無伴奏CDリリース後、出光音楽賞受賞、岩谷時子賞奨励賞、「情熱大陸」やバラエティ番組出演など目覚ましい活躍を続けている若手人気ナンバー1のサクソフォン奏者上野耕平が中心となって結成したThe Rev Saxophone Quartet(ザ・レヴ・サクソフォン・クヮルテット)によるCD第2弾。
前作「DEBUT」でクラシックサックスのオリジナル曲ばかりを演奏したライブ盤だったのに対し、今回は新曲2曲を含む全5曲に果敢に挑戦。メンバーの上野、宮越、都築、田中が藝大時代の仲間だからこそ生み出せるアンサンブルと、サックスの魅力を最大限に引き出す確固たる技術、そしてジャンルを越えて音楽を楽しめる感性を持った4人が奏でる5曲は、常識を覆すアルバムになっている。
美しさを追求した「G線上のアリア」は、クラシック演奏者として築き上げてきた実力を存分に発揮し、2曲目「カルメン幻想曲」はそのクラシックをベースに4ビート・ちんどん屋風等の突き抜けた新アレンジでREVらしく真剣に遊ぶ。次いでジャズテイストやファンク風のビートで斬新なアレンジを宮越が務めた。奏者だから書ける事と、メンバーだからこそ其々の得意な奏法や個性を活かしたアレンジに心躍る。最後の2曲はREVの為に書き下ろされた新曲。ドイツで活躍する作曲家稲森氏による「ふるさと狂詩曲」は、唱歌「ふるさと」のモチーフを変容し、故郷をこよなく愛する4人の出身県の民謡などが散りばめられている宝探しのような1曲。そして最後を飾るのが現在注目されている現代作曲家の坂東氏による「Mutations:A.B.C.」は確かな演奏技術に裏付けされた実験的なアプローチが、新たな音楽に挑戦するREVの姿勢を表す曲となっている。
どんな音楽にも本気で遊ぶレヴならではのこの1枚でサクソフォンの、そして音楽の楽しさを彼らと共に堪能できる。
(日本コロムビア)
【曲目】
1.J.S.バッハ(伊藤康英編):G線上のアリア
2.ビゼー(萩森英明編):カルメン幻想曲 新アレンジ
3.ハービー・ハンコック(宮越悠貴編):Watermelon Man 新アレンジ
4.稲森安太己:ふるさと狂詩曲 新曲
5.坂東祐大:Mutations: A.B.C. 新曲
【録音】
2018年9月5-6日 笠懸野文化ホール/9月26-27日 TAGO STUDIO
【プロフィール】
ザ・レヴ・サクソフォン・クヮルテット
ソプラノ・サクソフォン :上野耕平
アルト・サクソフォン :宮越悠貴
テナー・サクソフォン :都築 惇
バリトン・サクソフォン :田中奏一朗
2013年結成。
クヮルテット名の「Rev」とは、エンジンの回転などを意味する「Rev.」が由来。
音楽のもつ無限なエネルギーを我々4人が音として奏で、1つの方向へ疾走したい、という思いを込めている。これまでに全国各地でリサイタルやアウトリーチ活動など様々な演奏活動を行う。第41回藝大室内楽定期に出演。また、サクソフォン四重奏のためのレパートリーはもちろん、新曲の委嘱や初演、ピアノや邦楽器などとの共演も積極的に行い、サクソフォン四重奏の更なる可能性を追求している。
ソプラノ・サクソフォン 上野耕平
茨城県東海村出身。
8歳から吹奏楽部でサクソフォンを始め、東京藝術大学器楽科を卒業。
指揮者山田和樹氏には「耕平は、1音を聴いただけで、ただ者ではないと思った!」
またボストンポップスオーケストラの音楽監督であり指揮者であるKeith Lockhartには「サックソフォンのこんな音聴いた事がない。目が飛び出るほど驚いた!」と言わしめた。
第28回日本管打楽器コンクールサクソフォン部門において、史上最年少で第1位ならびに特別大賞を受賞。2014年第6回アドルフ・サックス国際コンクールにおいて、第2位を受賞。
2016年のB→C公演では、全曲無伴奏で挑戦し高評価を得ている。
常に新たなプログラムにも挑戦し、サクソフォンの可能性を最大限に伝えている。
現在、国内若手アーティストの中でもトップの位置をしめ演奏活動のみならずメディアへの出演や、「The Rev Saxophone Quartet」、「ぱんだウインドオーケストラ」のコンサートマスターとしても活躍中。
CDデビューは2014年「アドルフに告ぐ」、2015年にはぱんだウインドオーケストラ、2017年にはThe Rev Saxophone QuartetのデビューCDをリリース。
最新アルバムは無伴奏バッハ「BREATH」。第28回出光音楽賞、第9回岩谷時子賞奨励賞受賞。
アルト・サクソフォン 宮越悠貴
埼玉県新座市出身。
TV朝日「題名のない音楽会21」にて、故羽田健太郎氏、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演。その他、多数のメディアに出演。MALTA氏率いるMALTA Jazz Big Band、MALTA 11 Orchestra plus Oneにレギュラー出演。JAZZへのアプローチも積極的に行う。またフルートやクラリネットも演奏するマルチリード奏者としてオーケストラ等に招かれる。
サクソフォンアンサンブルを中心に作、編曲も手がける。上原弘子、彦坂眞一郎、大城正司、貝沼拓実、須川展也、MALTAの各氏に師事。
2009年度ヤマハ音楽奨学生。Saxophone Quintet "Five by FIve" のリーダーとしてアトラムレーベルより、「Five by Five」をリリース。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て同大学器楽科及び修士課程修了。
在学中にアカンサス音楽賞、同声会賞受賞。
テナー・サクソフォン 都築 惇
高知県香南市出身。
13歳よりサクソフォンを始める。高知県立高知丸の内高等学校音楽科を経て、東京藝術大学音楽学部器楽学科を卒業。第20回日本クラシック音楽コンクール第2位(1位なし)、下八川圭祐記念第34回高知音楽コンクール第1位、日本サクソフォーン協会主催第13回日本ジュニアサクソフォーンコンクール第2位等受賞。2014年度より始動した芸劇ウィンドオーケストラアカデミーにて一期生として在籍し研鑽を積む。
これまでにサクソフォンを福田香苗、原博巳、大石将紀、栃尾克樹、中靖人、須川展也各氏に師事。室内楽を林田祐和、有村純親、須川展也各氏に師事。またArnoBornkamp、KennethTse、Jean-Yves Fourmeau各氏のマスタークラスを受講。
現在はフリーランスの奏者として、ソロ・室内楽活動の他、国内プロ吹奏楽団のエキストラとして演奏会や録音に参加するなど、幅広いジャンルで演奏活動を行なっている。2018年度より武蔵野音楽学園大学非常勤講師。
バリトン・サクソフォン 田中奏一朗
福岡県大牟田市出身。
9歳よりサクソフォンを始める。日本サクソフォン協会第14回ジュニアコンクール第3位入賞。第11回九州音楽コンクール、
第20回すみれ会音楽コンクール、第61回西日本国際音楽コンクールそれぞれで最高位を受賞。2017年ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。
学業の傍ら全国各地で演奏活動を行い、特に地元九州での演奏活動も積極的に行う。また、Saxophone Quintet “Five by Five”のメンバーとしてデビューCD「Five by Five」をリリース。
サクソフォンを志垣美雪、田中靖人、林田祐和、冨岡和男、須川展也、大石将紀、室内楽を有村純親、大城正司、須川展也、林田祐和の各氏に師事。
東京藝術大学音楽学部卒業。同大学院に在学中。