エレーヌ・コルレット~フローラン・シュミット、ルーセル、プレヴォ:ヴァイオリン・ソナタ集
フランス近代音楽の広がりを、「北」を意識した選曲で……とは、ヴァイオリンのエレーヌ・コルレットからの本盤の紹介。
ドビュッシーやフォーレらによるフランス近代の傑作群のあとを受けての、充実した曲構成と細やかな音色の扱いがきわだつ充実作3作を集めたアルバムです。
フローラン・シュミットやルーセルなど「ドビュッシー以後」を代表するフランス人作曲家たちのヴァイオリン作品は、新録音が決して多いとは言えない分野。
フランス北東部ロレーヌ地方生まれのフローラン・シュミット(ほぼ同世代のオーストリア=ハンガリー帝国の作曲家フランツ・シュミットとは別人)の全2楽章からなるソナタ(1919年作)、およびルーセルの第2ソナタ(1924年作)はどちらも両大戦間の作品で、フォーレ晩期のソナタ群やラヴェルの『ツィガーヌ』などと同時期の作らしい細やかさと充実度のせめぎ合いが魅力。
一方ヴァイオリンのコルレットと同じフランス語圏カナダ出身のプレヴォは、デュティユーの薫陶を受けた耳なじみのよい音楽の書き手で、ロマン派から近代への流れを受けてのポスト=ロマン派ともいうべきソナタにも注目したいところ。
フランス放送が自信をもってお勧めする「今が旬」のアーティスト二人が手がけた、カナダやフランス北部など「北」への憧憬をはらんだ1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
1-3.ルーセル:ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.28
4-5.フローラン・シュミット:結合された2つの楽章による自由なソナタ
6-8.プレヴォ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
【演奏】
エレーヌ・コルレット(ヴァイオリン)
アンヌ・ル・ボゼック(ピアノ)
【録音】
2016年1月 ラジオ・フランス
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年11月13日 00:00