Joey DeFrancesco(ジョーイ・デフランセスコ)ニュー・アルバム『In the Key of the Universe』
1971年生まれ、マイルス・デイビスの晩年のツアーへも参加し、ジョン・マクラフリンの名作『アフター・ザ・レイン』でも名演を見せるなど、キャリア初期より称賛を集めるオルガン奏者、ジョーイ・デフランセスコのMack Avenue 第2弾。その存在には、かのクインシー・ジョーンズも絶賛しています。
前作は『Project Freedom』と題し、“自由”であり続けることへの強い意志とメッセージを込めたマイルストーン的な作品。近年では、第二のキャリア絶頂期を迎えているといわれていますが、一年ぶりとなる本作は、スピリチュアルな印象を強める作品となりました。
サミー・フィゲロアのエスニックなパーカッションの響きに導かれ、ソプラノとオルガンで対話するようにはじまるオープニング・ソングから、厳かなムードが漂う展開。デフランセスコ曰く、“年齢を重ねるに従って、スピリチュアルなヴァイブレーションにひきつけられ、単に宗教的な意味ではなく、音楽においても人生においても、そうしたものをリスペクトするようになった”とのことですが、本作は、アーティストのそのマインドが間違いなく反映されたといえそうです。
そうした中で、本作の核であり、重要なトラックとなるのが、ファラオ・サンダースが参加したM5から7の3曲。特に、M6は、ゆるぎない名盤『Karma』で32分あまりの長尺で演奏された楽曲。1969年という時代も色濃く反映し、レオン・トーマスのヴォイスをフィーチャーしたオリジナルは、50年の時を超え、今なお、突き刺さるようなヴァイブレーションを持った至高の演奏。本作では、11分という短縮した長さとしながらも、ファラオ自身のヴォーカルもフィーチャーすることで、スピリッツのある演奏を試みています。また当時のメンバー、ビリー・ハートもドラマーとして参加。その演奏をデフランセスコは「ファラオ・サンダースが楽器を取り上げ、メロディを奏で始めるやいなや、髪までもがピンと伸びるような感覚を覚えた」と語り、「ビリー・ハートの演奏には、開放され、自由になり、その感覚はとどめようがない類のものだった」と振り返っています。
ファラオ・サンダースもビリー・ハートもともに1940 年生まれ。ジャズという歴史をつくりあげてきた大御所。そうしたアーティストのスピリッツにも導かれたデフランセスコ。50 歳手前となったアーティストの今が語られています。
【収録曲】
1. Inner Being (5:18)
2. Vibrations in Blue (6:42)
3. Awake and Blissed (3:01)
4. It Swung Wide Open (3:54)
5. In the Key of the Universe (5:05)
6. The Creator Has A Master Plan (11:00)
7. And So It Is (7:52)
8. Soul Perspective (5:30)
9. A Path Through the Noise (4:47)
10. Easier to Be (5:15)
【メンバー】
Joey DeFrancesco(org, keyb, tp)
Pharoah Sanders(ts, vo)
Billy Hart(ds)
Troy Roberts(sax, b)
Sammy Figueroa(perc)
ジョーイ・デフランセスコとヴァン・モリソンのコラボ作!本作は2018年5月にリリースされたヴァン・モリソンの39作目となるアルバム。「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」「若き恋人たち」「マジック・タイム」 といった自身の過去の作品や「ミス・ オーティス・リグレッツ」「ザ・シングス・アイ・ユースト・トゥ・ドゥ」「エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」といった、ジャズやブルースの名曲を取り上げている。
掲載: 2019年02月05日 12:02