ダヴァン&リエージュ・フィルによるガブリエル・デュポンの知られざる管弦楽作品全集
ドビュッシー、ストラヴィンスキー、ラヴェル……19世紀末から20世紀初頭のフランスを賑わせてきた異才たちは彼らだけではなく、第一次大戦以後のモダニズムにかき消されて忘れ去られてしまった見過しがたい才人も少なくありません。
南仏でセヴラックが静かに才能を開花させていた頃、本盤の主人公デュポンはなんと、イタリアとフランスをまたにかけて歌劇作曲家として大成功。そのかたわらドビュッシー風ともヤナーチェク風とも言えそうな私小説的・描写的器楽音楽でみずみずしい才能を輝かせました。
病弱で何かと療養生活を余儀なくされながら彼が綴ったピアノ曲は、すでにいくつかの録音を通じてフランス近代音楽ファンにひそかな喜びを提供してきたところ、驚くべきことにフランス語圏ベルギーの老舗楽団を指揮して俊才ダヴァンが管弦楽曲集を発表します。
ピアノ曲として有名な「療養のとき(病床にて)」の管弦楽版をはじめ、フランク派とドビュッシ―を横目にみながら独自の成功を導き出した天才の技量を、雄弁な音言語の細やかさそのままにお楽しみいただけます。
日本語で読めるデュポンの資料がたいへん少ない中、国内仕様はフランス近代ファン垂涎の解説翻訳付。
(ナクソス・ジャパン)
『ガブリエル・デュポン:管弦楽作品全集~フランス近代の知られざる夭逝の天才~』
【曲目】
ガブリエル・デュポン(1878~1914):
療養のとき(管弦楽版)
1.碑銘/死神が呻き声をあげる
2.子供たちが庭園で遊んでいる
3.夕暮れが部屋を満たしてゆく
4.白夜/白昼夢
夏の日
5.陽ざしいっぱいの朝
6.木蔭
7.夜想
8.宿命づけられた女の歌
【演奏】
パトリック・ダヴァン(指揮)
ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
2018年9月3~6日、リエージュ、サル・フィラルモニーク
[日本語解説付]
解説日本語訳:白沢達生
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年02月18日 00:00