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ルノー・カピュソン、キアン・ソルターニ&ラハフ・シャニと共演!ドヴォルザーク&チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲集

カピュソン

『チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲』は、一貫して暗く悲しい雰囲気の作品ですが、それはチャイコフスキーの友人であったロシアのピアニスト、作曲家、指揮者であったニコライ・ルビンシテインへの追悼のために書かれた作品です。そのために「偉大な芸術家の想い出」タイトルが付けられています。第1楽章は非常にロマンティックな音楽なのに対して、第2楽章では古典的なものとなっています。それは、ルビンシテインが古典主義者だったためなのではないかとも言われています。

『ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番』は1883年の作品で、ボヘミアの町ムラダー・ボレスラフで初演。ハンスリックにウィーンへ来るよう誘われ、チェコの国民学派としての使命感、国際的なオペラ作曲家としての野心、そして二人の子供の死など、様々な葛藤に悩まされた時期の作品で、比較的荒々しい表現が目立つ作品となっています。

ルノー・カピュソンらはこの国民楽派音楽を、国民楽派的なその地方の音楽を再現するのとは異なり、作曲者の次へのステップのようなものが感じられる斬新な作品としてとらえていきます。そのためにルノー・カピュソンは交友の深いアーティストらから、若き二人を起用しています。

まず2018年DGからソロ・デビューした若きチェリスト、キアン・ソルターニ。わずか26歳で同世代の中で最も期待されるチェリストの一人と称せられ、アンネ=ゾフィー・ムターとダニエル・バレンボイムの支援の元、ムター・ヴィルトゥオージ、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団、そして新しく創設されたブーレーズ・アンサンブルのメンバーでもあります。

そして指揮者としても活躍するラハフ・シャニは、1989年生まれ。イスラエルにてピアノとコントラバスを学び、2007年にピアニストとしてイスラエル・フィルにデビュー。2010年にはコントラバス奏者としてこのイスラエル・フィルに入団。2013年には指揮者としてデビュー。バレンボイムの下で学び、ベルリン・シュターツカペレの定期公演やオペラ公演を指揮、2016年4月には読売日本交響楽団を指揮し絶賛され、現在はウィーン交響楽団の首席客演指揮者。2020年からはイスラエル・フィルの音楽監督に任命されています。

彼らによる演奏には、旋律に秘められた微細な表情の変化をとらえており、非常に精緻に音楽が奏でられていきます。エクス=アン=プロヴァンス音楽祭でのライヴ録音ということもあり、さらにその緊張感も感じられる、素晴らしい演奏です。
(ワーナーミュージック)
【曲目】
1) チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の想い出」
2) ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 Op.65

【演奏】
ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
キアン・ソルターニ(チェロ)
ラハフ・シャニ(ピアノ)

【演奏】
2018年4月5日、エクス=アン=プロヴァンス、ダリウス・ミヨー音楽院 でのライヴ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2019年03月22日 00:00