Fred Hersch(フレッド・ハーシュ)とWDRビッグ・バンドの共演『Begin Again』
今や、“Living Legend”と評され、ジャズという範疇を超えて、現代屈指のピアニストであるフレッド・ハーシュとWDR( 西ドイツ放送= Westdeutschen Rundfunks)Big Bandとの共演作品!ヨーロッパを代表するビッグ・バンドであるWDR(BB)は歴史的、実力的に屈指で、名ジャズ・プレイヤーをソリストにした作品も多数。数々の名アレンジャーを迎えていますが、本プロジェクトでは、鬼才アレンジャー/ コンダクター、ヴィンス・メンドーサを迎えています。
フレッド・ハーシュ自身「ヴィンスは私が書いた楽曲を信頼してくれていたので、彼が曲をリスペクトして、彼自身の才能を加えてくれるとわかっていた。それが現実のものになってうれしい」と語っていますが、全9曲すべてフレッド・ハーシュのオリジナルをヴィンスがアレンジ。まさに、現代の才能がコラボした注目のプロジェクトになっています。
レコーディングとしてはこれが初となるタイトル・トラック“Begin Again”をオープニングに、近年のナンバーを中心としつつ、今からさかのぼること30年前から演奏されている“Rain Waltz”のようなナンバーや、2001年の名作『SongWithout Words』など、フレッド・ハーシュのキャリアの長さも感じさせるセレクト。また作風も様々。前述の作品“SongWithout Words:Ballads”や、シューマンにインスパイアされた“Pastorale”のような“これぞフレッド・ハーシュ!”という至高のメロディをたたえたナンバーはもちろんのこと、“Havana”のようなラテンの哀愁と情熱があふれるナンバーあり、映画音楽的な展開を見せる“Out Someplace (Blues For Matthew Shepard)”、また、ジャズの伝統に敬意を表したスウィンギーでブルージーな展開を見せる“The Big Easy”のようなナンバーまで多種多様。それらを、ヴィンスが作品の世界に寄り添って、アレンジ。また、バンドのメンバーの個性などを活かしたソロなどもフィーチャーしながら描き上げていきます。
そして、ラストは、感動の“The Orb (For Scott)”。本楽曲は、フレッドの長年のパートナー、スコット・モーガンに捧げた繊細な優しさがあふれる至高のバラード。初めて発表されたのは、音楽と朗読を融合させた舞台『My Coma Dreams』、のちに『Open Book』のオープニングにも収録されていますが、2008年に2ヶ月に渡る昏睡状態から目覚めた時に、球形(Orb)のように現れ見えた最愛のパートナーの顔にインスパイアされたという背景をもつ、これ以上にないハーシュの思いがあふれた楽曲。本ヴァージョンでは、フレッド・ハーシュのソロ・ピアノをたっぷりフィーチャーし、そこに、ヴィンスが管楽器アンサンブルでふくよかなハーモニーをつけ、劇的に描き上げ、アルバムは幕を閉じます。
55分あまりのドラマ。21世紀の才能が響きあう一作です。
【輸入盤:国内流通仕様】日本語帯、解説付
【収録曲】
1. Begin Again
2. Song Without Words, No. 2: Ballad
3. Havana
4. Out Someplace (Blues For Matthew Shepard)
5. Pastorale
6. Rain Waltz
7. The Big Easy
8. Forward Motion
9. The Orb (For Scott)
【メンバー】
Johan Hörlen(as), Karolina Strassmeyer(as), Olivier Peters(ts), Paul Heller(ts), Jens Neufang(bs), Ludwig Nuss(tb), Andrea Andreoli(tb), Andy Hunter(tb), Mattis Cederberg(b-tb, tuba), Wim Both(tp), Rob Bruynen(tp), Andy Haderer(tp), Ruud Breuls(tp), Fred Hersch(p), Paul Shigihara(g), John Goldsby(b), Hans Decker(ds)
フレッド・ハーシュが、自己のグループで初めてヴィレッジ・ヴァンガードに出演した1997年の記念すべき演奏の作品化!!!
掲載: 2019年04月23日 10:37