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Herlin Riley(ハーリン・ライリー)アルト・サックスとトランペットの2管クインテット作『Perpetual Optimism』

Herlin Riley(ハーリン・ライリー)2管クインテット作『Perpetual Optimism』

ウィントン・マルサリスとの数々のレコーディングやツアー、またアーマッド・ジャマル不動のレギュラー・バンドでの活躍などでも知られる1957年生まれのベテラン・ドラマー、ハーリン・ライリーのリーダー作!前作『New Direction』(2016) もMack Avenueからのリリースで、およそ3年振りとなる。

前作と基本メンバーは変わらず若手の気鋭を抜擢しての、サックス、トランペットの2管クインテット。ピアニスト、エメット・コーエンは、2011年セロニアス・モンク・コンペティション(2011)準優勝の他、数々のコンペで入賞、巨匠ロン・カーターを迎えたトリオ作(2018)でも話題。アルトサックスのゴッドウィン・ルイスは2013年モンク・コンペ3位で、現在は教育者としても活動。また、トランペットのブルース・ハリス、ベースのRussell HallもNYなどで活躍する実力者だ。

今作は、前作がリリースされてから2年間で両親を亡くした、ライリーの人生で最も重要な2人に別れを告げることを背景に作られたという。楽曲はライリーのオリジナルを中心にスタンダードをアレンジしたものから、旧友エリス・マルサリスの楽曲も。

オープニングはライリーのオリジナルで、自身のルーツのひとつである教会由来のクラッピングを取り入れたファンキーな楽曲。2曲目は16ビートでサックスとトランペットが絡み合い、リズミックなキメがかっこいい。また4曲目はスタンダードの“You Don't Know What Love Is”はアーバンな8ビートにアレンジ、9曲目“Stella By Starlight”はピアノ・トリオで、オープニングのリフやメロディのキメ、リズムのアレンジをしながらも小気味よくスウィングした味わい深い演奏である。モーダルなファスト・スウィングの3曲目や、ユーモラスな5拍子の5曲目など、様々なリズム、曲調の楽曲が並ぶ。

タイトかつ柔軟なライリーのドラミングは包容力にあふれており、バンド全体を包み込み洗練された温かなサウンドになる。両親への想いが詰まったハートウォーミングな作品。

 

【収録曲】
1. Rush Hour (6:54)
2. Be There When I Get There (5:50)
3. Border Without Lines (4:49) 4. You Don't Know What Love Is (5:41)
5. Perpetual Optimism (7:06)
6. Touched (7:20)
7. Wings And Roots (6:23)
8. Wang Dang Doodle (6:34)
9. Stella By Starlight (4:05)
10. Twelve's It (4:38)

【メンバー】
Herlin Riley(ds), Emmet Cohen(p), Russell Hall(b), Godwin Louis(as except 9), Bruce Harris(tp except 9)

掲載: 2019年04月23日 10:37