ヴィオラ・ダ・ガンバ三重奏団「チェッリーニ・コンソート」~ガンバ三重奏によるJ.S.バッハ鍵盤作品集
バッハの有名作品を当時の演奏習慣に沿った編曲版で!
ヴィオラ・ダ・ガンバ三重奏でなぜバッハの鍵盤作品を?と思われるかもしれません。しかしこれは、バロック期の通例としては決して不思議ではない解釈でもあります。
ヴィオラ・ダ・ガンバはかつて、調和のとれた社交生活を送れる人物であることの証として貴族たちに愛されていました。貴族にふさわしい知的な対位法楽曲にも適しているうえ、人の声に近い美音も好まれ、声楽曲の楽譜をみながら歌い手ぬきでそれを合奏することもあれば、当時は声部別に別々の段に記されることも多かったオルガン独奏曲を合奏曲に見立て、その音の絡みを解き明かしながら演奏するのにもガンバが使われたのです。
チューリヒとバーゼルで、名匠サヴァールやパンドルフォらに師事したのち世界的に多忙な活躍をみせている3人の新旧世代ガンバ奏者たちは、そうしたこの楽器の演奏習慣を「いま」に甦らせるがごとく、あえて広く知られたバッハの鍵盤曲を原作にそうした編作を試み、きわめて高い評価を博してきました。
徹底した古楽研究の成果としての「ガンバによるバッハ」は、作品本来のみずみずしい魅力に思わぬ角度から光をあてた魅惑の仕上がり!
18世紀のオリジナル古楽器を含む銘器の数々から引き出される、素材感あふれる羊腸弦の美音の重なりに酔いしれたい1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
『ガンバ三重奏によるJ.S.バッハ鍵盤作品集』
【曲目】
J.S.バッハ(1685~1750):
3声の組曲 ト長調(フランス組曲 第5番 BWV 816より)
1) アルマンド
2) クラント
3) サラバンド
4) ガヴォット
5) ジグ
ファンタジアとフーガ ニ短調 BWV 905
6) ファンタジア
7) フーガ
8) コラール前奏曲「来たれイエスよ、今こそ天よりここへ」BWV 650
9) コラール前奏曲「ああ神にして主なるかた」BWV 692
イタリア様式による協奏曲 ト長調 BWV 971
10) アレグロ・アッサイ(じゅうぶん快速に)
11) アンダンテ(歩く速さで)
12) プレスト(急速に)
13) コラール「今ぞ来たれ、異教徒の救い主」によるトリオ BWV 660
14) コラール前奏曲「どこへ彷徨い出るべきか」BWV 646
トリオ・ソナタ ニ長調 BWV 1028
15) アダージョ(緩徐に)
16) アレグロ(快速に)
17) アンダンテ(歩く速さで)
18) アレグロ(快速に)
19) コラール前奏曲「ただ神のみを信じる者は」BWV 691
【演奏】
チェッリーニ・コンソート(ガンバ合奏・古楽器使用)
[メンバー]
トーレ・エーケトルプ(5弦パルドゥシュ〔最高音域〕・ガンバ、バス・ガンバ)
ブライアン・フランクリン(ディスカント〔高音域〕・ガンバ、テノール・ガンバ、バス・ガンバ)
トーマス・ゲチェル(6弦パルドゥシュ・ガンバ、テノール・ガンバ、バス・ガンバ)
【録音】
2017年10月26~29日、スイス放送局(SRF)第2スタジオ、チューリヒ
[日本語解説付]
解説日本語訳:白沢達生
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年06月28日 00:00