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ジャコモ・シナルドーによるクレメンティのピアノ・ソナタ全集録音始動!『クレメンティ:ピアノ・ソナタ集 Vol.1』(2枚組)

ジャコモ・シナルドー

モダン・ピアノによるクレメンティ・ソナタ全集、スタート!

作曲家ムツィオ・クレメンティ(1752年1月23日-1832年3月10日)は、ローマ生まれのピアニスト、教育学者、指揮者、音楽出版者、編集者、ピアノメーカーでもありました。ドメニコ・スカルラッティのハープシコード派とハイドンの古典派の影響を受け、彼は流麗で技術的なレガートの演奏法を開発し、ジョン・フィールド、モシェレス、マイアーベーア、フンメル、ツェルニーなどの世代のピアニストに引き継ぎました。さらに、ベートーヴェンとショパンにも顕著な影響を与えました。ピアノ・ソナタの分野としての作曲家クレメンティは、「ピアノの父」とも呼ばれています。彼の演奏について、モシェレスは「最も美しいレガート、活気のあるパッセージとしなやかなタッチ、そして決して失敗のないテクニックが特徴だ」と書いています。彼が新しいピアノ技術の学校を設立したため、ドメニコ・スカルラッティは古いタイプのピアノでの演奏を止めたとも言われています。
クレメンティは、110近くのピアノ・ソナタを作曲しました。「ソナチナ集Op.36」の成功の後、初期の比較的簡単なもののいくつかは「ソナチナ」として後に分類されています。彼の作品は、ドビュッシーの「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」や、サティの「官僚的なソナチネ」としてパロディ化されてもいます。しかしこれらソナタのほとんどはモーツァルトのソナタよりも演奏が難しく、モーツァルトは姉妹への手紙の中で「素早い音の跳躍、幅広く使用されるコード進行があるため、クレメンティのソナタを弾かなくて済むことを望んでいます。彼女の手の自然な明るさを台無しにしますから」と書いているほどです。当時、多くの名誉がクレメンティに与えられたにもかかわらず、その後の時代から現代においても一部の練習曲用として演奏される作品、ホロヴィッツが見いだした作品以外は、あまり演奏されることはありません。

ピアノのジャコモ・シナルドーは、イタリアはシチリア出身。地元カターニアのヴィンチェンツォ・ベッリーニ音楽院で、数々の受賞歴を持つエピファニオ・コミスに就いて学び、主席で卒業。その後、フィリップ・アントルモン、レスリー・ハワードらに師事。若くして国際メンデルスゾーン杯コンクールなどを含む国内外合わせた20を越える受賞歴を誇っています。世界各地でソリストとして客演や、ソロリサイタルを行っています。Dynamicレーベルから発売された「ムソルグスキー:ピアノ作品全集」は、イタリアのクラシックCDアルバムのNo.1を記録し、米国でも7位を記録。その後リリースしたアルバム「サティ:ピアノ作品全集」も、200万回を超えるデジタル・ストリーミングを記録しています。数多くの大学や音楽大学でのピアノのマスタークラスを受け持ち、またモリーゼ州、カンポバッソ州立音楽院で教鞭をとっており、地元カターニアでピアノ国際音楽祭を創設し、音楽総監督も務めています。

このアルバムはシナルドーによるクレメンティ・ピアノ作品全集の最初のものとなるもので、クレメンティの有名なソナタのひとつ「捨てられたディド」と、魅力的な未知の作品が選ばれています。プロとアマチュア問わずピアニストにとってのトレーニングに不可欠なものです。この点からも、新しい演奏解釈によって魅力的な作品を見いだした演奏です。
(ソニーミュージック)

『クレメンティ:ピアノ・ソナタ集 Vol.1』
【曲目】
ムツィオ・クレメンティ:
[CD1]
1. ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op.1-1
2. ピアノ・ソナタ ト長調 Op.1-2
3. ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op.1-3
4. ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.1-4
5. ピアノ・ソナタ イ長調 Op.1-5
6. ピアノ・ソナタ ホ長調 Op.1-6
7. ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Op.7-1
8. ピアノ・ソナタ ハ長調 Op.7-2
9. ピアノ・ソナタ ト短調 Op.7-3

[CD2]
1. ピアノ・ソナタ ヘ短調 Op.13-6
2. ピアノ・ソナタ 嬰ヘ短調 Op.25-5
3. ピアノ・ソナタ ロ短調 Op.40-2
4. ピアノ・ソナタ ト短調 Op.50-3「捨てられたディド」

【演奏】
ジャコモ・シナルドー(ピアノ)

 【録音】
2018年12月26-28日、イタリア、ラグーザ県、LGMスタジオ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2019年09月06日 00:00