Naxos~2019年10月発売新譜情報(13タイトル)
[参考音源:ツェルニー:協奏曲集/naxosvideos 公式チャンネルより]
幅広いレパートリーと実力派アーティストの録音を楽しめる事で人気のレーベルNaxosレーベルの新譜情報です。
今回はセーゲルスタム&トゥルク・フィルのベートーヴェン“劇音楽「エグモント」”、近年人気急上昇の作曲家ヴァインベルクの“フルートのための作品全集”、ベートーヴェンの“管楽合奏のための音楽集”、近代スロヴァキアを代表する作曲家、アレクサンダー・モイゼスの“スロヴァキア舞曲”、レーガーの“管弦楽作品集”、アメリカの作曲家ウィリアム・ペリーの“プロヴァンスの木陰から”など世界初録音を含むCD13タイトルがリリースされます。
ベートーヴェン(1770-1827):劇音楽「エグモント」Op.84
レイフ・セーゲルスタム(指揮)トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団
1807年、ベートーヴェンは友人の法律家、詩人ハインリッヒ・ヨーゼフ・コリンの戯曲「コリオラン」を見て感激、劇に基づく序曲「コリオラン」を一気に仕上げました。これによりコリンはベートーヴェンにいくつかのオペラの作曲を提案しましたが残念ながら実現することはありませんでした。しかしベートーヴェンの劇に対する情熱は冷めることなく、1809年にヨーゼフ・ハルトルから依頼されたゲーテ作品への作曲を快く引き受け、ほぼ半年間を要して曲を書き上げ自らの指揮で初演しています。題材はフランドルの軍人エグモント(エフモント)の英雄的なエピソードであり、ベートーヴェンは彼自身の政治的関心も絡めた、力強く荘厳な音楽を付けました。現代では全曲が演奏されることはあまりありませんが、
このアルバムでは名バス歌手サルミネンの朗読を含む劇音楽全曲を収録。完成度の高い演奏を楽しむことができます。
(ナクソス・ジャパン)
ヴァインベルク(1919-1996):フルートのための作品全集
クラウディア・シュタイン(フルート):、他
最近、注目されているヴァインベルク。このアルバムには彼のフルート作品が全て収録されています。ソヴィエト時代に書かれたヴァインベルクの独奏作品の多くは特定の奏者を念頭に置いたものが多く、フルート作品もほとんどの曲が当時の名手アレクサンドル・コルネーエフのために書かれています。
作品年代の最も早い曲は「12の小品」であり、後に弦楽オーケストラのためにアレンジされるなど、ヴァインベルクのお気に入りの作品でもありました。1961年の「フルート協奏曲第1番」はハチャトゥリアンを思わせる活発な第1楽章、抒情的な第2楽章、流麗な第3楽章で構成されています。「協奏曲第2番」はヴァインベルクの最後の作品の一つ。コルネーエフに捧げられており、やはり古典的な形式で書かれています。「5つの小品」の楽譜は長い間失われていましたが、最近発見され、ようやく演奏されるようになりました。ドビュッシーの引用が印象的な第1曲を始め、自由な作風による興味深い小品で構成されています。
(ナクソス・ジャパン)
ベートーヴェン(1770-1827):管楽合奏のための音楽集
デイヴィッド・シフリン(クラリネット)、パウル・ウォンジン・チョー(クラリネット)、フランク・モレッリ(ファゴット)、他
18世紀から19世紀、小規模な編成の管楽アンサンブルは人気が高く、ベートーヴェンも数多くの作品を書き上げています。このアルバムに収録された4曲はどれもベートーヴェンが20代の作品であり、八重奏曲はマクシミリアン選帝侯の食卓のための音楽として書かれ、後に弦楽五重奏曲に編曲されています。選帝侯お抱えの奏者たちの熟練した技巧が伺われる勢いのある見事な筆致による明るい音楽です。
六重奏曲はクラリネット、ホルン、ファゴットが各2本づつという珍しい編成。また、ロンディーノは八重奏曲のフィナーレとして構想されていた作品です。モーツァルトのグラン・パルティータの伝統を受け継ぐ軽やかな作風が魅力的。
(ナクソス・ジャパン)
レーガー(1873-1916):管弦楽作品集
アイラ・レヴィン(指揮)ブランデンブルク州立管弦楽団
偉大なる先人、ヨハン・セバスチャン・バッハを敬愛していたレーガー。1904年に初めてバッハの作品を主題にした変奏曲を書き上げます。使われたのはカンタータ第128番の二重唱「神の全能の力は計り知れず」であり、レーガーは原曲のオーボエの音色を想定して楽譜に「オーボエのように」と書きつけるなど、ピアノ曲でありながら、演奏にあたって多彩な響きを要求していたことがわかります。
このアルバムでは編曲家でもある指揮者アイラ・レヴィンがレーガーの思いを音にするために、ピアノ曲をオーケストラ用にアレンジ、各声部を整理し、若干短縮を施すことでクライマックスを強大なものにしています。同じくバッハのコラール「ひとよ、汝が罪の」はレーガーの編曲、また「ベックリンの4つの音詩」はレーガーが魅了されていた絵画に触発された色彩豊かな作品です。
(ナクソス・ジャパン)
カール・ツェルニー(1791-1857):協奏曲集
ローズマリー・タック(ピアノ)、リチャード・ボニング(指揮)イギリス室内管弦楽団
ベートーヴェンの弟子、友人として知られるツェルニー。彼は19世紀のウィーンにおけるピアノ演奏の技術改革に取り組み、彼が書いた練習曲は当時大流行、現在でも、基礎的な演奏技術の向上のために広く使われています。しかし彼自身は非常に謙虚な人柄であり、演奏技術の改良も「尊敬するベートーヴェンのソナタを弾くため」に行われたものでした。そのために彼が残した数多くのピアノ曲は、どれも高度な技術が用いられた演奏困難なものであり、ショパン作品よりも難しいとされる曲もあります。しかしツェルニー自身が宣伝しなかったため、そのほとんどが忘れられてしまいました。最近になってようやく、演奏機会が増えてきたこともあり、独自の作風が見直されています。
ここでは2曲の協奏曲と、同時代の作曲家オーベールの歌劇の旋律を使ったロンディーノを聴くことができます。なかでも第2大協奏曲は、ベートーヴェンの「皇帝」を聴いて感動したツェルニーが初演の12日後に作曲を始めたという、師に対する尊敬の念が強くこめられた作品。ツェルニー研究家のローズマリー・タックの演奏は作品の真価を的確に伝えています。
(ナクソス・ジャパン)
アレクサンダー・モイゼス(1906-1984):スロヴァキア舞曲
オンドレイ・レイナルド(指揮)スロヴァキア放送交響楽団
近代スロヴァキアを代表する作曲家、アレクサンダー・モイゼス。12曲ある交響曲はどれも故郷のスロヴァキア民謡を効果的に配した民族色豊かな旋律に溢れた聴きごたえのあるものですが、この舞曲集は、更にスロヴァキアの旋律を生かしたユニークな作品群で、彼の愛国心が垣間見える音楽語法が駆使された色彩豊かな音楽が楽しめます。
1930年代の「ヴァー川を下って」はラジオ局からの委嘱作品。スメタナの「モルダウ」のアイデアに従い、川の源から下流までを色彩的に描ています。他には、ツィンバロンの響きが鮮やかなスロヴァキアのジェマー地方の舞曲と、ポロニエ地方の舞曲に基づいた作品を収録。シンプルな形式の中に溢れるスパイスの効いた旋律は、ヤナーチェクやバルトークを思わせる躍動的な雰囲気を持っています。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年09月19日 00:00