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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.59

アート・ファーマー『モダン・アート』(1958)

AF

アート・ファーマー(tp)
ベニー・ゴルソン(ts)
ビル・エヴァンス(p)
アディソン・ファーマー(b)
デイヴ・ベイリー(ds)

1958年9月10,11,14日録音

曲目:
01.モックス・ニックス
02.フェア・ウェザー
03.ダーン・ザット・ドリーム
04.ザ・タッチ・オブ・ユア・リップス
05.ジュビレーション
06.ライク・サムワン・イン・ラヴ
07.アイ・ラヴ・ユー
08.コールド・ブリーズ

【アルバム紹介】
1.温かみがあり、メロディアスなプレイを得意とするファーマーの傑作
2.テナー・サックスにベニー・ゴルソン、ピアノにビル・エヴァンスが参加
3.オリジナル曲、スタンダード曲とも50年代モダン・ジャズの薫り高い演奏で魅了

2020年最初の『WEEKEND JAZZ』です。
前回のソニー・クラーク『クール・ストラッティン』は1958年発表のアルバムでしたが、そこに参加していたトランぺッターのアート・ファーマーの代表作である本作も1958年のアルバムです。同年の1月に『クール・ストラッティン』はレコーディングされていますが、その約8か月後に行われたアート・ファーマーのリーダー・セッションを収録したものになっています。

アート・ファーマーはトランぺッターとしては、パンチのあるトランペット・スタイルとは違い、温かみがあり、メロディアスなプレイを得意とするプレイヤーであり、本作でその魅力を存分に楽しめます。 テナー・サックスには、“アイ・リメンバー・クリフォード”、“ウィスパー・ノット”等の名曲を生んだベニー・ゴルソン、そして、ピアノにはビル・エヴァンスが参加しているという点も大きな特徴になっています。

収録曲は1曲目“モックス・ニックス”がファーマーの、2曲目“フェア・ウェザー”がゴルソンのオリジナル曲になっており、他は“ダーン・ザット・ドリーム”、“ライク・サムワン・イン・ラヴ”など名バラード曲を含むスタンダード・ナンバーを取り上げており、50年代モダン・ジャズの薫り高い演奏で魅了します。

ジャケットに写るファーマーのアップ顔はインパクトがありますが、それも本作の特徴のひとつとなっております。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
フランス映画にも使われたゴルソン作“フェア・ウェザー”。

1959年のフランス映画『殺られる』は『死刑台のエレベーター』『危険な関係』といったフィルム・ノワール時代の傑作映画ですが、その音楽を、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズが担当。この時、ザ・ジャズ・メッセンジャーズのテナー・サックスはベニー・ゴルソンであり、ブレイキーとともに楽曲を提供していますが、本作収録の“フェア・ウェザー”はそのサントラにも収録されているナンバーです。サントラでは、タイトルが“ピエールとベアトリスのフィナーレ”となっています。
そこに収録されているテイクは1分足らずの楽曲ですが、非常に爽やかなメロディラインを持った曲調で、本作ではその部分はテーマ部分として演奏され、その後は、各プレイヤーのソロが展開されています。ソロの順はファーマー、ゴルソン、エヴァンス。後テーマでは少しメロディをアレンジした部分も登場、再び冒頭のテーマが回帰してエンディングに向かいます。
本作発表後、アート・ファーマーとベニー・ゴルソンは双頭コンボであるザ・ジャズテットを結成しますが、それは次回で紹介することにいたします。

SHM-CD国内盤(生産中止:2020年1月現在)

 

ジャケ違いボーナストラック入り輸入盤

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2020年01月10日 12:00