バイエルン放送響のコントラバス奏者ウィース・ド・ブフによるボッテジーニ:コントラバスのための協奏曲集
バイエルン放送交響楽団首席コントラバス奏者ウィース・ド・ブフによる、3弦コントラバスを使ったボッテジーニ協奏曲集
1987年ベルギー生まれのコントラバス奏者ウィース・ド・ブフ。ルツェルン音楽学校にてボゾ・パラドに師事、他にもジークヤンネ・サクサラ、エスコ・ライネなどに師事。2015年ドイツ音楽コンクールで優勝。2017年ボッテジーニ・コンクール優勝、現在バイエルン放送交響楽団首席コントラバス奏者を務めています。
ブフがこのアルバムで取り上げた作品は、イタリアの作曲家でコントラバス奏者だったジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)の作品集。
ボッテジーニは、最初ヴァイオリンの才能を示すが、ミラノ音楽院に入る際、奨学金枠に空席のあったコントラバスで入学。1835~39年在籍。1840年から演奏活動を始め、ヴェルディからソリストとなることを勧められ、ソロ楽器としてのコントラバスの地位を確立したヴィルトゥオーソで、コントラバスのパガニーニと呼ばれています。ヴェルディに作曲も習い、オペラ作曲家としても活動、12曲のオペラを作曲しています。
そもそもコントラバスという楽器はもともとヴィオラ・ダ・ガンバ属とヴァイオリン属どちらの最低音弦楽器ということもあり、バロック時代は弦の数が3から6本で(フレット有も)、現代ではは4から5本が基本とされていますが、「3弦コントラバス」は超絶技巧のヴィルトゥオーゾたちが活躍した19世紀ではソリストのための楽器として重宝がられていました。ボッテジーニの写真でも3弦コントラバスが一緒に写っています。パッセージ的には4~5本の方が演奏しやすいはずですが、なぜ3本なのか? それは、音色の美しさ!これほかにはありません。
もちろん美しい音色を出すためには超絶技巧という技が必要なわけですが、ブフは、パルマの図書館に所蔵されている演奏法や楽譜から研究を行い、チェロのように艶やかなカンタービレを奏で、ヴァイオリンのように敏捷なパッセージで人を圧倒することも不可能ではないことを、証明しています。
(ワーナーミュージック)
【曲目】
ジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889):
1) コントラバス協奏曲第2番 ロ短調
2) メンデルスゾーン風の演奏会用アレグロ
3) コントラバス協奏曲第1番 嬰ヘ短調
4) ヴァイオリンとコントラバスのためのグラン・デュオ・コンチェルタンテ
【演奏】
ウィース・ド・ブフ(コントラバス)
ヨシフ・イヴァノフ(ヴァイオリン:4)
ジョシュア・ワイラースタイン(指揮)
ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
2019年8月27-30日、ブリュッセル、Flagey Studio 4.
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年01月10日 00:00