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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.69

バド・シャンク『ザ・バド・シャンク・カルテット』(1956)

BS

バド・シャンク(as, fl)
クロード・ウィリアムソン(p)
ドン・プレル(b)
チャック・フローレス(ds)

1956年1月25日、ロサンゼルスにて録音

曲目:
01.バッグ・オブ・ブルース
02.ネイチャー・ボーイ
03.オール・ジス・アンド・ヘヴン・トゥー
04.ジュビレイション
05.ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー
06.ノクターン・フォー・フルート
07.ウォーキン
08.カリオカ

【アルバム紹介】
1.ウェスト・コースト・ジャズ・シーンのパーカー派バド・シャンクの50年代の傑作
2.まるで空気のような、極めてライトな音色とフレージングで魅了
3.ピアノには名手クロード・ウィリアムソンが参加

前回のソニー・スティットに続き、こちらも“パーカー派”のアルト奏者です。
50年代にウェスト・コースト・ジャズ・シーンで人気プレイヤーとして名を馳せたバド・シャンクが1956年にパシフィック・ジャズ・レーベルでレコーディングしたワン・ホーン・カルテットによる一作です。

“パーカー派”といっても、バド・シャンクのアルト・サックスはチャーリー・パーカーのようなホットな印象はなく、まるで空気のような、極めてライトな音色とフレージングで魅了するのが特徴となっています。また、本作では2曲でフルートも吹いており、そのクールなトーンでのプレイが別の魅力を伝えています。

本作はピアノにはバド・パウエル・スタイルで知られる名手クロード・ウィリアムソンが参加しており、バド・シャンクの軽やかなアルト・サックスをバックアップし、ウェスト・コースト・ビバップ然としたアプローチで聴かせます。

楽曲は、スタンダードをメインにしながら、ウェスト・コーストの名テナー、ボブ・クーパーの “バッグ・オブ・ブルース”、“ジュビレイション”、そしてクロード・ウィリアムソンの“ノクターン・フォー・フルート”の3曲のオリジナルが収録されています。
アッパーなスイング・ナンバー、ロマンティックなバラード等、さまざまな曲調での快演が楽しめまる逸品です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
クールなアルト、1曲目 “バッグ・オブ・ブルース”。

タイトルこそブルースとなっていますが、いわゆる12小節のブルースとは違い、ライト感覚にみちた軽快なスイング・ナンバーであり、さりげなくブルージーなフレージングを盛り込むところが、ウェスト・コーストらしい“クールさ”を感じさせます。
イントロは不穏な雰囲気の始まり方ですが、ベースのウォーキング・ラインを経て、シャンクのアルトがテーマを奏で始めるとカラっと明るくなり、まるで急に空が晴れたように感じられます。
テーマ提示後はスイング・ビートに乗ったスマートなアルト・サックス・ソロを展開してゆき、後半には技巧的な高速フレーズも畳み込み、インプロヴァイザーとしての才能を見せつけます。
続くはクロード・ウィリアムソンがバビッシュで素晴らしいソロを、そしてベース・ソロへと進んでゆきます。その後テーマが戻りかけたところで、ドラムスのロールのプレイが挿入され、エンディングに向かうと、ベースのフレーズで唐突に曲を終えます。
まさに1950年代のロサンゼルスの空気感、爽快感が感じられる演奏といえましょう。

国内盤(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2020年03月20日 10:00