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『有田正広の軌跡 第3集 1980-1982』~ピリオド楽器とモダン楽器、双方で示されるフランス音楽の粋

有田正広

すべて初CD化。
ピリオド楽器とモダン楽器、双方で示されるフランス音楽の粋

音楽家・有田正広の軌跡を辿るアーカイヴ・シリーズ第3集。CD2枚組で、ピリオド楽器による「ミシェル・ブラヴェの世界」とモダン楽器による「リクリエーション・リサイタル」を収録。前者は1981年、同名のコンサート前日に録音のためだけに聴衆なしで行われた1回きりの演奏で、日本の本格的なピリオド楽器による演奏の黎明期を飾る音源。後者は都響首席メンバーを中心に結成されたアンサンブルが1980、82年に行った伝説的なリサイタルからの音源。
フランス音楽をテーマにひとりの音楽家が携わった2つの貴重な記録が初CD化。同時期に行われたことが驚きですらあるモダン・ピリオド双方のたいへん素晴らしい演奏を一気に聴くことができる注目盤です。
有田氏へのインタビューを交えつつ構成したブックレットは当時の逸話などもたくさん入っていて大変面白い内容。本人提供の貴重写真も数多く掲載しています。またCD1のブラヴェは有田氏の盟友・峰尾昌男氏が録音・マスタリングした貴重音源。
(キングインターナショナル)

【曲目】
[CD1] 〈ミシェル・ブラヴェの世界〉
ブラヴェ:
フルート・ソナタ ロ短調 作品3の2
フルート・ソナタ ニ長調 作品2の5
フルート・ソナタ ニ短調 作品2の2
フルート・ソナタ ト短調 作品2の4
フルート協奏曲 イ短調

[CD2] 〈リクリエーション・リサイタル〉
ダンディ:サラバンドとメヌエット 作品72
リゲティ:6つのバガテル
ルーセル:ディヴェルティスマン 作品6
フランセ:黄昏時(ビアホールの音楽)
プーランク:六重奏曲 FP100

【演奏】
[CD1]
有田正広(フラウト・トラヴェルソ)
若松夏美(バロック・ヴァイオリン)
高田あずみ(バロック・ヴァイオリン)
鈴木秀美(バロック・チェロ)

録音:
1981年5月3日/聖グレゴリオの家

[CD2]
有田正広(フルート)
本間正史(オーボエ)
千葉直師(クラリネット)
笠松長久(ホルン)
堂阪清高(ファゴット)
土屋律子(ピアノ

録音:
1980年10月20日
こまばエミナース・ホール(ルーセル、プーランク)
1982年6月28日
石橋メモリアル・ホール(ダンディ、リゲティ、フランセ)

有田正広 プロフィール
1972年、桐朋学園大学を首席で卒業。同年、第40回NHK・毎日音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)で第1位を獲得。 翌年、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に留学。74年からはコレギウム・アウレウムのメンバーとして、ヨーロッパ、日本などで活動。75年、王立音楽院をプルミエ・プリで卒業。同年、ブルージュ国際音楽コンクールのフラウト・トラヴェルソ部門で第1位となる。77年、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に入学、半年で最高栄誉賞つきソリスト・ディプロマを得て、卒業。帰国後も、フランス・ブリュッヘン指揮「18世紀オーケストラ」、クイケン兄弟、トレヴァー・ピノック指揮「イングリッシュ・コンサート」など、内外の名手たちとも盛んに共演。ルネサンスから現代に至る400年間に変遷を遂げたさまざまなフルートを駆使する演奏は、有田ならではのもので、さまざまな時代の作品に輝かしい光を与え、人々を魅了しつづけるアーティストとして高い評価を得ている。89年には「東京バッハ・モーツアルト・オーケストラ」を結成。指揮者として結成記念公演を行い、絶賛された。2006年にはモーツァルト生誕250年を記念し、モーツァルトのフルートとオーケストラのための作品全5曲を自身の指揮と演奏により一晩で演奏するという快挙を成し遂げ、話題を呼んだ。09年には同オーケストラを更に発展させ、ロマン派をレパートリーとする日本初のオリジナル楽器によるオーケストラ「クラシカル・プレイヤーズ東京」を結成。古楽器と現代楽器の枠を超えた新たな音楽的創造の領域へとさらに活動の場を広げている。録音は「ドイツ・バロックのフルート」などアルヒーフ(レコード・アカデミー賞2部門と文化庁芸術作品賞)、DENONアリアーレ、avex-CLASSICSからリリース多数。第21回サントリー音楽賞受賞。現在、昭和音楽大学客員教授、桐朋学園大学特任教授。2018年に第30回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門特別賞を受賞。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2020年11月26日 00:00