ファゴットの鬼才セルジオ・アッツォリーニの最新作!ムッツィ&カメラータ・ルソーとの共演!コジェルフ:協奏曲と交響曲
古楽界におけるファゴットの鬼才セルジオ・アッツォリーニの最新アルバムは、チェコの疾風怒濤の作曲家レオポルト・コジェルフとその従兄弟ヤン・アントニーン・コジェルフの作品集。ピリオド楽器による世界初録音収録!
ヤン・アントニーン・コジェルフはプラハで音楽を学んだ後、ウィーンでグルックとフロリアン・レオポルト・ガスマンのもとで学びました。ガスマンの死後はアントニオ・サリエリの弟子となり、その後プラハの宮廷楽長に就任。1784年からプラハの聖ヴィトゥス聖堂の楽長を、ストラホフ修道院のオルガニストを約40年間に渡って務めました。彼の作品のうち故郷に向けられた教会音楽には、斬新でシンフォニックな特徴が刻まれています。
ヤン・アントニーン・コジェルフの従兄で、モーツァルトのライバルとして有名なレオポルト・コジェルフはボヘミアで生まれ、ヤンに音楽を学びプラハで頭角を現したのち、当時ヨーロッパにおける音楽の中心地ウィーンに赴き才能を発揮しました。1784年からは楽譜出版業も手掛け、モーツァルトも彼の出版社から作品を出版。モーツァルトの死を受けて1792年に帝室宮廷楽長と宮廷作曲家を兼務し、求められるままに器楽曲、室内楽曲、宗教曲など膨大な作品を書き上げましたが、現在、それらのほとんどが忘れられてしまったのは、あまりにも多作で批評家からだけでなくモーツァルトやベートーヴェンからも「作品の質が悪い」と酷評されたことも一因だといわれています。しかしその作風はベートーヴェン、シューベルトに影響を与えました。ここに収録された交響曲には、ほぼ同時期に作曲された「モーツァルト:交響曲第40番」の疾風のごとく駆け抜けるような感覚が感じられます。
このアルバムでファゴット・ソロを演奏するのは、古楽界の鬼才セルジオ・アッツォリーニ。アッツォリーニは、ハノーファー音楽大学在学中にヨーロッパ・ユース・オーケストラ首席奏者として演奏活動を開始、数少ない管楽器のソロ演奏家として世界の注目を浴びており、ピリオド楽器奏者としても力を注いでいます。また数多くの録音を発表、受賞も多く、ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブル、モーリス・ブルク・トリオ等、有力な室内楽グループのメンバーとして活動。カンマーアカデミー・ポツダムの音楽監督や様々な古楽アンサンブルにも参加、未知の楽譜の発掘、既存の出版譜の再校訂等、資料研究も進め現在バーゼル音楽大学教授を務めています。このアルバムではピリオド楽器(1794 年 Kaspar Tauber製作)を使用しています。
オーボエのジョヴァンニ・デ・アンジェリは、インゴ・ゴリツキ、モーリス・ブルグに学びました。「東京国際オーボエ・コンクール」「プラハの春」コンクールの優勝者であり、多くのコンサートホールや有名なフェスティバルにソリストとして出演。また、ピリオド楽器を使った古楽にも熱心に取り組んでいます。ここではドレスデンのCarl Augustin Grenser製作の楽器のレプリカ を使用。
指揮のレオナルド・ムッツィはナポリで育ち、ロッテルダム音楽院でリコーダーを学びました。オランダの奨学金を得て、バーゼル・スコラ・カントールムでバロック音楽と古楽器演奏の研究を行いました。2014年にバーゼル・スコラ・カントールムとジュネーブ州立アンシエンヌ音楽院からの古楽器演奏者による「カメラータ・ルソー」を設立し、古典的ロマン派作品の歴史的な情報に基づいた演奏に専念。あまり知られていない作曲家の作品を中心に演奏しており、解釈の伝統の影響を受けていない作品を紹介してきています。ここでもほとんど演奏されないコジェルフの作品が取り上げられており、[3]は世界初録音。[1] [2]はピリオド楽器による世界初録音となります。
(ソニーミュージック)
『コジェルフ:協奏曲と交響曲』
【曲目】
ヤン・アントニーン・コジェルフ(1738-1814):
1. ファゴット協奏曲 ハ長調 (LMik. JAK XIV:1)[ピリオド楽器による世界初録音]
2. オーボエ協奏曲 ヘ長調 (LMik. JAK XIV:3)[ピリオド楽器による世界初録音]
レオポルト・コジェルフ(1747-1818):
3. ファゴット協奏曲 変ロ長調 (LMik. JAK XIV:2)[世界初録音]
4. 交響曲ト短調Op.22-3 (PosK I:5)
【演奏】
セルジオ・アッツォリーニ(ファゴット)
ジョヴァンニ・デ・アンジェリ(オーボエ)
カメラータ・ルソー(ピリオド楽器オーケストラ)
レオナルド・ムッツィ(指揮)
【録音】
2016年2月18-21日、スイス、リーエン、フェストザール・ラントガストホーフ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2021年01月20日 00:00