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イル・ジャルディーノ・アルモニコ首席チェロ奏者が率いる気鋭のアンサンブル「ムジカ・アンティクァ・ラティーナ」によるヴィヴァルディ:協奏曲集

ムジカ・アンティクァ・ラティーナ

当時の大都市ヴェネツィアが体験したさまざまな文化的影響を色濃く投影したヴィヴァルディの協奏曲とシンフォニアを、イル・ジャリディーノ・アルモニコ首席チェロ奏者が率いる気鋭のアンサンブルで味わえる新録音。

「ムジカ・アンティクァ・ラティーナ」は、バロック・チェロ奏者ジョルダーノ・アントネッリ(イヴァン・モニゲッティに師事し、現イル・ジャルディーノ・アルモニコの首席チェロ奏者)によって2000年に結成されました。
バロックから前古典派の音楽を専門とし、主要なイタリアのアーカイブからの出典と写本などから綿密に調査し、隠された修辞的な数字、記号、パターンを解読し、神聖な正統性と演劇的なの旋律の融合を追跡します。特に未発表の様々なプログラムを発掘・演奏し高い評価を得ています。

アントネッリとムジカ・アンティクァ・ラティーナによるDHM2枚目となるこのアルバムでは、ヴィヴァルディの著名な協奏曲とそうでない作品とが組み合わされ、しかもヴィヴァルディの音楽に当時のヨーロッパや周辺の音楽文化の影響が色濃く残されている証左となるような作品がセレクトされているのが興味深いところです。

数年前まで未発表のままだった復元された「シンフォニアRV 125」は、スラヴ音楽の影響と思われるシンコペーションしたアクセントが示されています。「協奏曲RV 413 & RV 96」は、ドイツ音楽の伝統的な特徴を備えています。「協奏曲RV 517」は、北欧のインスピレーションだけでなく、スペインの様々な形式(フォリアからチャコーナ、ファンダンゴ、フラメンコ)の音楽に浸透しているイベリア・スタイルの影響を受けています。スウェーデンのアーカイブに保存されている「シンフォニアRV 168」は、北ヨーロッパとバルカン半島の両方の影響を示しており、第3楽章ではジョルダーノ・アントネッリが演奏するオスマン・トルコ風によるギリシャのリラによって長い即興演奏が加えられています。

ヴィヴァルディがほぼ一生を過ごしたヴェネツィアは、常にさまざまな人々や宗教のコミュニティが出会い、音楽の伝統が共有される大都市でした。この録音はこの文化的背景を重点的に検証され演奏されています。ジョルダーノ・アントネッリとムジカ・アンティクヮ・ラティーナは、ヴィヴァルディの協奏曲を通して、民族の影響を受けたヴェネツィアの音を我々聴き手に指し示しているかのようです。
(ソニーミュージック)

『ヴィヴァルディ:協奏曲集』
【曲目】
ヴィヴァルディ:
1.チェロ協奏曲 ニ短調 RV 405
2.弦楽のためのシンフォニア ニ長調 RV 125(ジョルダーノ・アントネッリによる復元版)
3.チェロ協奏曲 ト長調 RV 413
4.マンドリン協奏曲 ハ長調 RV 425
5.2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV 531
6.室内協奏曲 ニ短調 RV 96
7.2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV 517
8.弦楽のためのシンフォニア ロ短調 RV 168

【演奏】
ジョルダーノ・アントネッリ(チェロ&指揮)
ムジカ・アンティクァ・ラティーナ(ピリオド楽器アンサンブル)

【録音】
2020年6月16-22日、ローマ、アヴェンティーノの丘、聖アレッシオ教会

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2021年03月19日 00:00