原田慶太楼&N響/ダンソン~コープランド、バーンスタイン、ウォーカー、ピアソラ、マルケス(UHQCD)
ダイナミックでエレガントなサウンドで、アメリカンクラシックの多様な魅力を描き切る
原田×N響の信頼関係から生まれた、記念すべきファーストレコーディング
このアルバムについて
今国内で最も注目を集める指揮者・原田慶太楼。アメリカとロシアで指揮法を学んだ後、20歳の時にモスクワ交響楽団でラフマニノフの交響曲第2番を指揮して、プロ・デビュー。その後アメリカに戻り、ロリン・マゼールに師事、またレヴァインのアシスタントを務め、アリゾナ・オペラのアソシエート・コンダクター、名門シンシナティ交響楽団のアソシエート・コンダクターなどのポジションを歴任し、2020年から、アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督に就任しています。2017年には、ブルガリア国立歌劇場で「カルメン」を指揮して、ヨーロッパ・オペラ・デビューを果たし、同歌劇場の来日公演も指揮して、日本でのオペラ・デビューを飾りました。昨年コロナ禍で、国内でも急速にプレゼンスを高め、弱冠36歳の若さながら、今や、国内の主要オーケストラから引っ張りだこの人気となり、21年4月には東京交響楽団の正指揮者に就任。彼の本格的デビュー録音となる当作品は、長くアリゾナを拠点に活動していた原田慶太楼にとって、得意中の得意ともいえる、アメリカとメキシコで書かれた作品を集めたもの。ダンスのリズムを取り⼊れ、アメリカらしい情熱が感じられる名曲ばかりです。作曲家も、アメリカ音楽のメインストリームといえる、コープランド、バーンスタインから、黒人作曲家のウォーカー、ニューヨークに住んでいたアルゼンチン人のピアソラ、メキシコのマルケスと、アメリカの多様性を象徴するようなラインナップになっています。NHK交響楽団の精緻なアンサンブル力と、原田慶太楼の躍動感溢れる音楽が相乗効果を生んだ、アメリカクラシックの名演集といえるアルバムです。
(日本コロムビア)
ダンソン~コープランド、バーンスタイン、ウォーカー、ピアソラ、マルケス
【収録曲】
バーンスタイン:《オン・ザ・タウン》から《3つのダンス・エピソード》
ウォーカー:弦楽のための叙情詩
ピアソラ:タンガーソ(ブエノスアイレス変奏曲)
コープランド:バレエ組曲《アパラチアの春》
シェイカー教徒の賛美歌による変奏曲
マルケス:ダンソン第2番
【演奏】
原田慶太楼指揮 NHK交響楽団
【録音】
2020年11月25, 26日サントリーホール
『まず「オン・ザ・タウン」の軽快でキレのよい音楽に感心した。原田の指揮は、バーンスタインの音楽を身体中で感じて、踊っているかのよう。バーンスタインを直接知らない若い世代の指揮者がバーンスタインの音楽をしっかりと受け継いでいるのを心強く思った。ウォーカーの「叙情詩」は、美しく、温かく、深みのある演奏。録音の少ない作品だけに、N響の弦楽器セクションによる最上の演奏は価値のあるものになろう。ピアソラの「タンガーソ」も演奏は決して容易ではない。オーボエの吉村結実、ホルンの今井仁志ら、N響の名 手たちによる絶妙な演奏に、天国のピアソラも喜んでいるに違いない。「アパラチアの春」ではコープランド独特の透明感が原田&N響によって ⾒事に再現されていた。そして「ダンソン第2番」は原田らしい激しくかつエレガントな演奏。北中南米という地域だけでなく、ユダヤ系、アフリカ系、ラテン系などなど、民族的にも多様なアメリカの音楽を満喫することができた。』
山田治生(ライナーノーツより)
『プログラムはアメリカ合衆国のサンクス・ギヴィング・デイに因むもので、日本コロムビアがライヴ録音した。メキシコのマルケス以外の 3人は北米の作曲家で、とりわけ「古き良き時代」「黄金時代」の合衆国を想起させる作品を集めたことに、ある種の政治的メタファーを察知した聴き手もいたはずだ。(中略)原田が身体運動能力の限りを尽くして作品の生命感を吹き込むと、オーケストラは全身弾きの情熱でこたえ、客席も熱狂した。主席奏者たちのソロ演奏も卓越していて、とりわけクラリネットの松本健司の百面相的な妙技と美音は驚嘆に値する。ヴァイオリンは第1、第2を左右に分けた対向配置で、面白い効果を発揮した。原田はタクトを持たず全身を駆使した指揮ぶりで、N響のベストを引き出していた。』
池田卓夫(iketakuhonpo HPより)
原田慶太楼
現在、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを中心に目覚しい活躍を続けている期待の俊英。シンシナティ交響楽団およびシンシナティ・ポップス・オーケストラ、アリゾナ・オペラ、リッチモンド交響楽団のアソシエイト・コンダクターを経て、2020年シーズンから、アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督に就任。ヒューストン、インディアナポリス、メンフィス、ルイジアナ、ウエストバージニア、ツーソン、フェニックス、ハワイ等のオーケストラと共演。国内でも様々なオーケストラと共演。オペラ指揮者としても実績が多く、アリゾナ・オペラのアシスタント・コンダクターとして、<ドン・パスクワーレ><連隊の娘><カルメン><トスカ>ほかの作品を手がけてきた。シンシナティ・オペラ、ブルガリア国立歌劇場、ノースカロライナ・オペラで活躍。国内ではフェニーチェ堺のオペラに登場。
2010年タングルウッド音楽祭で小澤征爾フェロー賞、2013年ブルーノ・ワルター指揮者プレビュー賞、2014・2015・2016・2020年米国ショルティ財団キャリア支援賞を受賞。 1985年東京生まれ。インターロッケン芸術高校音楽科において、指揮を F.フェネルに師事。指揮法をロシアのサンクトペテルブルクで学び、2006年21歳のときにモスクワ交響楽団を指揮してデビュー。 2009年、ロリン・マゼール主催の音楽祭「キャッソルトン・フェスティバル」にマゼール氏本人の招待を受けて参加。2010年には音楽監督ジェームズ・レヴァインの招聘を受けてタングルウッド音楽祭に参加、2011年には芸術監督ファビオ・ルイジの招聘によりPMFにも参加。これまでに、ロバート・スパノ、マイケル・ティルソン・トーマス、オリバー・ナッセン、ヘルベルト・ブロムシュテット、ステファン・アズベリーなどに師事。オーケストラやオペラのほか、室内楽、バレエ、ポップスやジャズ、そして教育的プログラムにも積極的に携わっている。 2021年4月東京交響楽団正指揮者に就任。
オフィシャル・ホームページ: kharada.com
所属事務所:ジャパンアーツ
NHK交響楽団
NHK交響楽団の歴史は、1926年にプロ・オーケストラとして結成された新交響楽団に遡る。その後、日本交響楽団の名称を経て、1951年NHK交響楽団と改称。今日に至るまで、カラヤン、アンセルメ、カイルベルト、マタチッチなど世界⼀流の指揮者を次々と招聘し、歴史的名演を残している。近年N響は、年間54回の定期公演(NHKホール、サントリーホール)をはじめ、全国各地で約 120回の演奏活動を行っている。また、2013年8月にはザルツブルク音楽祭に初出演、2020年春にベルリン、ウィーンをはじめ、ヨーロッパ主要 9都市で公演を行うなど、その活動ぶりと演奏は国際的にも高い評価を得ている。現在 N響が擁する指揮者陣は、首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィ、名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット、桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージ、正指揮者外山雄三、尾高忠明。