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CPO レーベル~2022年1月第2回発売新譜情報(5タイトル)

エネスク

知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。

今回はジョルジェ・エネスクのヴァイオリン協奏曲が世界初録音!カロリン・ヴィトマンの演奏です。ほかに、ツェルニーの“即興演奏の体系的指導書”、テレマンの“フランス風典礼歴カンタータ集 1714/1715”、スペイン・ルネサンス期の2人の作曲家ペニャローサ、ビクトリアによる「聖母マリアのための音楽」を集めたアルバム、再発売となるグバイドゥーリナの管弦楽作品集などCD5タイトルがリリースされます。

世界初録音
ジョルジェ・エネスク(1881-1955):ヴァイオリン協奏曲、ピアノとオーケストラのための幻想曲
カロリン・ヴィトマン(ヴァイオリン)、ルイザ・ボラック(ピアノ)、ペーター・ルジツカ(指揮)ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

20世紀ルーマニアの作曲家ジョルジェ・エネスク。幼い頃より楽才を発揮、10代の頃からヴァイオリニスト、指揮者として演奏活動を行う他、7歳で入学したウィーン音楽院ではヨーゼフ・ヘルメスベルガー、ロベルト・フックスらに師事した後、パリ音楽院でも作曲をマスネとフォーレに師事するなど、和声、対位法、古楽などを幅広く学び、作曲家としても早くから認められていました。交響曲や室内楽曲など多くの作品を書きましたが、ヴァイオリン協奏曲は未完のものが残されているのみ。とはいえ、2つの楽章で600小節に及ぶ草稿は、それだけでも驚愕に値する仕上がりを誇っています。ブラームスやベートーヴェンを思わせるオーケストラの長い提示部(90小節)で始まる第1楽章は、3つのテーマが用いられており、どれも一度聴いただけで耳に残るほどの鮮烈な印象です。第2楽章も夢見るような美しい主題が用いられています。ソリストのカロリン・ヴィトマンの見事な演奏も聴きどころ。ピアノとオーケストラのための幻想曲も、ブラームス風の重々しさとリストの超絶技巧を併せ持つ作品。カデンツァ部分が欠如しているので、こちらは協奏曲の楽章として想定されたのではなく独立した作品と推定されています。2曲とも出版されておりませんが、指揮者ルジツカを中心とした人々がに散逸した資料を集め、作品の演奏にこぎつけました。エネスクの未知の作品をお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)

カール・ツェルニー(1791-1857):即興演奏の体系的指導書 Op.200(2枚組)
コーリャ・レッシング(ピアノ)

多くのピアノ学習者が学ぶ練習曲で知られるオーストリアの作曲家カール・ツェルニー。ベートーヴェンの弟子で、優れたピアニストでもありましたが、ある時期から演奏活動からは身を引き、演奏技術向上のための練習法や練習曲を研究し、膨大な作品と著書を遺しました。20世紀に至るまで一部の練習曲をのぞき、作品のほとんどは演奏されることもありませんでしたが、21世紀になるとその生涯と作品に光が当たりはじめ、現在ではピアノ曲だけでなく、声楽曲や室内楽曲、オルガン作品などの演奏、録音が行われています。
この「即興演奏の体系的指導書」はツェルニー中期の作品で、まさにテクニックを追求した1冊。当時の演奏家には必須技術であった「即興演奏」を行うための実例集で、曲集の内容は、1分未満から3分程度の長さを持つ50の演奏例とその応用編、そしてこれらを用いた「まとめの1曲」から構成されており、同時代のベートーヴェン、クレメンティ、フンメル、モシェレスの作品や、バッハの「フーガの技法」なども引き合いに出しながら、アルペッジョやスケールの練習とともに、さまざまな旋律の装飾や変奏の技法も学ぶことができるように工夫されています。メロディ・メーカーとしてのツェルニーの一面もうかがえる興味深いアルバムです。
(ナクソス・ジャパン)

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):フランス風典礼歴カンタータ集 1714/1715(2枚組)
フェリックス・コッホ(指揮)ノイマイヤー・コンソート(器楽)グーテンベルク・ソロイスツ(声楽)

テレマン作品の復興に力を注ぐcpoレーベルの新シリーズは、1714/15の教会歴(典礼歴)のために作曲された規模の大きな編成によるカンタータ全72曲の録音プロジェクト。その翌年にあたる1716/17年のツィクルスは良く知られていますが、こちらの年の作品については、文献にもほとんど言及がありません。この第1作には1715年の夏の終わりの時期のための5曲のカンタータと四旬節の5曲のカンタータを収録。フランス風の様式で書かれているため、「フランス風典礼歴シリーズ」と呼ばれているカンタータを含みます。なかでも「Judica」と呼ばれる四旬節の第5日曜日のための「Gottschweige doch nicht also」は「受難の始まりの週」という特別な役割を持つ曲です。フェリックス・コッホの指揮によるこのプロジェクトは、バロック歌唱に実績のあるヴェテラン歌手とともに、このプロジェクトのために選抜された若き歌手たちが組織するヴォーカル・アンサンブル「グーテンベルク・ソロイスツ」の演奏。テレマン・ファンだけではなく多くの人にお聴きいただきたい1枚です。
(ナクソス・ジャパン)

ペニャローサ、ビクトリア:聖母マリアのための音楽集
ペニャローサ・アンサンブル

スペイン・ルネサンス期の2人の作曲家による「聖母マリアのための音楽」を集めた1枚。フランシスコ・デ・ペニャローサはセビーリャで教会楽長として活躍、1518年から21年まではローマ教皇庁にも使えた才人。ジョスカン・デプレらフランドル楽派のスタイルを採り入れた宗教曲を書き高く評価されましたが、出版された作品が少なかったため、スペイン以外の国で広くその作品が広まることがありませんでした。アルバムを演奏する"ペニャローサ・アンサンブル"はこの大作曲家の名を冠しています。かたやトマス・ルイス・デ・ビクトリアはペニャローサより80年ほど後の世代の作曲家で、ポリフォニー音楽の作曲家としてパレストリーナに次ぐ存在とみなされています。彼もローマでイエズス会の司祭を務めましたが、1586年にスペインに帰国し、マドリッドのデスカルサス・レアレス女子修道会に奉職します。ここでは皇太后マリアに仕え、司祭・作曲家・合唱指揮者・オルガニストとして多方面な活躍をしました。彼の作品は印刷されヨーロッパ全体に普及し他の作曲家たちを刺激、現在でもその洗練された音楽は広く愛されています。
(ナクソス・ジャパン)

再発売
ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-):管弦楽作品集
ヨハネス・カリツケ(指揮)、ベルンハルト・クレー(指揮)ハノーファー放送フィルハーモニー管弦楽団

2021年に90歳の誕生日を迎えたソフィア・グバイドゥーリナ。このアルバムには彼女のほぼ20年間にわたる期間に書かれた3つの管弦楽作品が収録されています。
冒頭の「プロ・エト・コントラ」は「賛と否」といった意味を持つタイトルの1989年の作品。清澄なロシア聖歌を「プロ」のモチーフとして使い、それに対抗する「コントラ」の要素を激しい旋律で絡めた壮大な曲。最終部分では遥か彼方から金管で奏される聖歌が聴こえてきます。この曲は不法入国者を含む旅人たちと老司祭との、宗教を超えた交流を描いたエルマンノ・オルミ監督の映画『楽園からの旅人』(2013)で使用されたことで話題になりました。他には小編成のアンサンブルが奏でる緊張感溢れた音による「コンコルダンツァ」(1971)、幻想的なハープの響きが印象的な「おとぎ話の詩」を聴くことができます。
(ナクソス・ジャパン)

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カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2021年12月09日 00:00