ベルリン古楽アカデミー創立40周年記念!パウル・ヴラニツキー:交響曲集(2枚組)
ベルリン古楽アカデミー、DHMに初登場!古楽演奏の最先端を行く気鋭のアンサンブルが創立40周年記念に選んだのは、モーツァルトと同時代のヴラニツキー。
ベルリン古楽アカデミー(略称Akamus)の名門DHMへのデビュー・レコーディングは、モーツァルトの同時代人として知られるヴラニツキーの交響曲を3曲収めた、期待の高まる2枚組です。
モラヴィア出身の作曲家パウル(パヴェル)・ヴラニツキー(1756-1808)は、ウィーン楽派の最も影響力のある人物の1人でした。活躍の機会を求めウィーンに定住し、オーケストラの指揮者、作曲家として高く評価され、生前に10の歌劇、44の交響曲、少なくとも56の弦楽四重奏曲、まだ未出版のものも多くそれ以上のオーケストラや室内楽などを数多く作曲。同年生まれのモーツァルトとも交友を深め、モーツァルトの死後は未亡人コンスタンツェが亡き夫の作品を出版するための手助けをしたことでも知られています。ハイドンやベートーヴェンからも尊敬され、ベートーヴェンは『交響曲第1番』の、ハイドンはオラトリオ『四季』の初演の指揮をヴラニツキーに依頼しています。現在こそ、その作品は、今はハイドンやベートーヴェンの影に隠れてしまっていますが、1790年代後半のウィーンで最も重要な交響曲作曲家とみなされていました。
このアルバムの最初に収録された歌劇『妖精の王オベロン』は、モーツァルトの『魔笛』のモデルともなったとされる作品。
『交響曲 ハ短調 Op.31「フランス共和国との和平に」』は、各楽章に「革命:英国軍、オーストリア軍、プロシア軍の行進」、「ルイ14世の運命と死(葬送行進曲)」、「英国軍、連合軍の行進、戦闘」、「平和への歓喜」と付された表題付きの交響曲で、フランス革命の過程を音で描写したユニークな作品。
『交響曲 ニ長調 Op.36』は、祝典的で英雄的な作風と、東ヨーロッパの伝統的な作風が組み込まれたもの。
『交響曲 ニ短調 「嵐(ラ・テンペスタ)」』は、描写的なオーケストレーションを通して表現された嵐、風雨、雷、雷光が鮮烈で、自然の力に畏敬の念を示した作品です。
コンサートマスターのベルンハルト・フォルクがヴァイオリンを弾きつつリードするベルリン古楽アカデミーによる演奏は、ハイドンの影響を受けつつも、巧みな管弦楽法による軽快かつ芳醇なヴラニツキーのスタイルにピッタリで、文字通りモーツァルトの作品を彷彿させます。ピリオド楽器を縦横無尽に操る斬新な解釈と圧巻の快演により、ヴラニツキーの革新性と偉大さを感じさせてくれます。
(ソニーミュージック)
【曲目】
パウル・ヴラニツキー (1756-1808):
歌劇『妖精の王オベロン』序曲
交響曲 ハ短調 Op.31『フランス共和国との和平に』
交響曲 ニ長調 Op.36
交響曲 ニ短調 『嵐(ラ・テンペスタ)』
【演奏】
ベルリン古楽アカデミー(ピリオド楽器オーケストラ)
ベルンハルト・フォルク(コンサートマスター)
【録音】
2021年1月25-28日、ベルリン、イエス=キリスト教会
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年03月11日 00:00