週刊ライドオンタイム 第2号
11年ぶりとはオマタツが過ぎますが、山下達郎、待望のオリジナルアルバム『SOFTLY』発売のビッグニュースにいてもたってもいられないタワレコスタッフにより結成された<週刊ライドオンタイム編集部>による音盤紹介コラム。ニューアルバム『SOFTLY』発売まで毎週upしてまいります、ひとつよしなに!
【今回は…】
タツローさんのあの名演を、そして今も支え続ける方々のソロ作品、集めてみました。より重層的に音楽的背景を探る旅。定番から最新作までそろえてマス!(タワーレコード:マツタツ)
村田和人『ひとかけらの夏 +2』
ついにSA-CDでこの爽快感を!まずは21年にリリースされたこちらをご紹介。山下達郎~パイパー周辺で活動していたSSWライター、村田和人が師匠のタツロー氏をプロデユーサーに迎えて制作したセカンドアルバムにして代表作。ヒット・シングル(1)から夏全開、裏『FOR YOU』とも言える充実作!夏の夕暮れに寄り添う黄昏チューン(2)、フロアライクなミッドダンサー(4)や竹内まりや作詞による(8)(10)などアメリカン・ロックの爽快感溢れる和AORの大傑作。
佐々木久美『ソウル・サウンド・オン・ビクトロン (ふるさとの旅)』
タツローさんのツアーを長年支え、大野雄二さんはじめ多くのアーティストにコーラスワークで参加してきた佐々木久美さん キャリアの原点となる77年のファーストアルバムが2021年リマスタリング仕様、タワーレコ―ド限定販売にて初CD化! MURO氏のミックスで(1)(2)が取り上げられ、漆黒和モノディガーのあこがれの1枚!! ビクトロン(ビクターのオルガン)の最年少プロ・プレイヤーだった彼女が日本の民謡をソウル・ジャズ・スタイルで演奏するというコンセプトのインスト作品。実にアグレッシヴ&グルーヴィーに躍動するタイトなリズム隊とオルガンワークスはまさにディガー冥利に尽きる屈指のレア盤! 近年は娘さんの活躍も素晴らしく、ブルーペパーズへの客演などのトピックを含めてファンはニヤリ。
ザ・チャイチーズ『噂のザ・チャイチーズ 日本の名曲演ってます』
タツローバンドより難波弘之さん、佐橋佳幸さんが参加したドリームバンドによるカバーライブが待望の映像&音源化。メンバーは、根本要、佐橋佳幸、難波弘之、河村"カースケ"智康、根岸孝旨という日本音楽界のレジェンドたち。還暦祝いでのライブにしてこの現役感、ライブにして熟練だからこそ成せるさすがの仕上がり。タツローさんからは[Bomber]を取り上げ、要さんにしかできない歌声でカバーされております。とっても濃密で完成度の高い楽しい音楽の時間はまさに「音を楽しむ」という言葉そのもの。個人的には参加メンバーの笑顔とはつらつとした立ち振る舞いに、そして要さんも楽しそうにギターを弾く要さんにニヤリ。楽器小僧の皆様はぜひDVDで演奏の様子を手元をぜひご確認ください!
伊藤広規『Wonderful』
長年タツローさんを支え続けるまさに屋台骨、ベース伊藤広規さんの12年ぶりの作品が先日発売。図太い音作りで常に僕らを魅了し続けてくれますが、今作もまさにヤサグレオヤジロックというのにふさわしいアクティブな演奏を聴かせてくれます。ライブアルバム『JOY』をはじめとして、ライブな環境でのスラップ(チョッパー)が究極にクールな伊藤さんのベースの魅了が詰まったインスト作。ギターとのユニゾン、ドラムとの変拍子な絡みがたまらない(7)(9)あたりが◎。アナログでも発売あるので、是非おっきなスピーカーで良い音でお楽しみください。
山下達郎『JOY -TATSURO YAMASHITA LIVE-』
2週連続のこのチョイスか!とお叱りもいただきそうですが、サンソンは2週連続ライブで棚つか、そしていつか聴きたい[JOY2]への期待を込めて今週も。ほとんどのコーラスを村田さん、佐々木久美さんらが務め、リズム隊はずっと青山純さん×伊藤広規さん。70~80年代のタツローさんを支え、シティポップの名演を作り上げた方々の最高峰的音源で、ライブ盤の大名盤なのは言わずもがなでしょう。タツローさんを支える方々のソロアーティストとしての方向性を踏まえて聴くことで、その音楽の旅はより深くそして楽しくなることでしょう。
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山下達郎、11年ぶりのオリジナルアルバム『SOFTLY』6月22日発売
タグ : 週刊ライドオンタイム シティ・ポップ [anoto]
掲載: 2022年04月29日 12:00