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アマンディーヌ・ベイエ&リ・インコーニティによる新録音は、ヴィヴァルディ:さかさまの世界~様々な楽器のための協奏曲集

アマンディーヌ・ベイエ

ベイエ&リ・インコーニティ
クラリネットも登場の注目のヴィヴァルディ作品集
愉悦の極みの「逆さまの世界」!

フランス古楽界の新時代の担い手、ベイエ率いるリ・インコーニティ(名もなき者たち、の意。2006 年結成)。待望の新譜は、ヴィヴァルディによる、もはや「交響曲」ともいえるようなスケールの協奏曲集。ベイエの奏でるヴァイオリンの明るく輝く音色は、生まれ故郷でもある南仏の太陽を思わせるよう。そして奏でる音符やパッセージが微笑んでいるかのよう。そしてクラリネットのユニゾン、リコーダーのトリル、官能的なオーボエの二重奏、燃え上がるようなホルンの響きが加わって、交響曲のようなサウンドながら、親密かつ軽やかなアンサンブルは必聴です。

ティンパニも登場する「聖ロレンツォの祝日のために」RV 556 は、1720 年代中頃に作曲されたと考えられますが、クラリネットが使用されているのも注目ポイントです。クラリネットは、ヴィヴァルディ当時はまだ新しい楽器でした(18 世紀初めに登場) が、ヴィヴァルディは、ヴェネツィアにこの楽器が存在していたことに敬意を表してこれを作曲したと思われます(のちに、クラリネットを含まないヴァージョンも作曲している)。

アルバムのタイトルにもなっている「プロテウス、あるいは逆さまの世界」と題されたRV 572は、ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲に、フルート、オーボエ、チェンバロという編成の作品。入れ替えて演奏可能なヴァイオリンとチェロ双方のソロ・パートに相当な技術が要求される作品です。さらに、他の楽器も、ソロ楽器と同じ旋律をオクターブのユニゾンで演奏するという、ソリストだけでなくメンバーの腕も要求される作品。そこにヴィオラがドローンのように長い音符を奏で、なんともいえない厚みのあるサウンドが生まれる歯ごたえのある作品。ベイエ率いるリ・インコーニティの面々は、パッセージのひとつひとつを愉悦に満ちた表情で奏でています。
(キングインターナショナル)

輸入盤

 

国内仕様盤

[国内仕様盤は日本語帯・解説付]

 

【曲目】
ヴィヴァルディ:
・協奏曲 ニ長調 RV 562「聖ロレンツォの祝日のために」
・フルート協奏曲 ホ短調 RV 432
・協奏曲 ハ長調 RV 556「聖ロレンツォの祝日のために」(1720年半ば)
・協奏曲 ヘ長調 RV 571
・ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ト短調 RV 576
・ヴァイオリン協奏曲 イ長調 RV 344
・2つのオーボエのための協奏曲 イ短調 RV 536
・協奏曲 ヘ長調「プロテウス、あるいは逆さまの世界」RV 572

【演奏】
アマンディーヌ・ベイエ(ヴァイオリン&指揮)

リ・インコーニティ
[メンバー]
トラヴェルソ&リコーダー:エレオノーラ・ビシェビチ、マニュエル・グラナティエロ(ソロ:RV432)
オーボエ:ネヴェン・ルサージュ(ソロ:RV 576)、ガブリエル・ピドゥ
クラリネット:ロベルタ・クリスティ、ルノー・ギィ=ルソー
ファゴット:アレハンドロ・ペレス=マラン
ホルン:テオ・スカネク、シリル・ヴィトコク
ヴァイオリン:川久保洋子、フラヴィオ・ロスコ、ヴァディム・マカレンコ、アルバ・ロカ、カティア・ヴィエル、エレナ・ズマノヴァ
ヴィオラ:マルタ・マラモ、リカルド・ジル・サンチェス
チェロ:レベカ・フェリ、カルラ・ロヴィロサ
ヴィオローネ:バルドメロ・バルシエラ
テオルボ&バロックギター:フランチェスコ・ロマノ
チェンバロ&オルガン:アンナ・フォンタナ
ティンパニ:クレマン・ロスコ

【録音】
2021年4月、スペイン

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2022年06月30日 00:00