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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.188

ローランド・ハナ『イージー・トゥ・ラヴ』(1960)

RH

ローランド・ハナ(p)
ベン・タッカー(b)
ロイ・バーンズ(ds)

1959年9月25日録音

曲目:
01.自由が一番
02.ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー
03.フロム・ジス・デイ・オン
04.ライク・サムワン・イン・ラヴ
05.イエスタデイズ
06.ファルーク・セロニアス
07.イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
08.イージー・トゥ・ラヴ
09.チュニジアの夜

【アルバム紹介】
1.渋好み系ピアニスト、ローランド・ハナの初期ピアノ・トリオ作
2.クラシックを基礎とした音色の美しさやフレーズの流麗さが特徴
3.ロマンティックなスタンダード・ナンバーをエレガントな演奏で魅了

しばらくアルト・サックス奏者の名盤を続けて取り上げてきましたが、今回から少し方向性を変えまして、やや渋好み系ピアニストの名盤をご紹介してゆきます。
最初はローランド・ハナのATCOレーベルに残された初期のピアノ・トリオ作です。

派手な存在感は皆無だったピアニストですが、そのテクニックは素晴らしく、クラシックを基礎とした音色の美しさやフレーズの流麗さが特徴で、本作のようなスタンダード・ナンバー中心のアルバムではその持ち味が最大限生かされています。

ベースには名手ベン・タッカー、ドラムスにはロイ・バーンズという編成で、“ライク・サムワン・イン・ラヴ”、“イエスタデイズ”、“イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド”といったロマンティックなスタンダード・ナンバーをエレガントに聴かせています。2曲“フロム・ジス・デイ・オン”、“ファルーク・セロニアス”(ユニークな楽曲です)はベン・タッカーのオリジナル曲になります。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
エレガントでスインギー“自由が一番”。

この曲は原題が“The Best Things In Life Are Free”と言って、1927年のブロードウェイ・ミュージカル『グッド・ニュース』の中で歌われたのが最初であったナンバーです。 この曲をローランド・ハナはエレガントで瑞々しく、スインギーで軽快なピアノで聴かせています。
ワクワクするような陽気なテーマをクリアなタッチで提示した後、ソロに入りますが、高音域から中音域まで、時に転がるような見事なフレーズを織り交ぜながら、高揚感あふれるプレイで魅了してゆきます。
やがてドラムスと4バースのソロを展開した後、テーマに回帰しますが、その後また自由なソロが続いていく中、余韻を漂わせるようにフェイド・アウト。
日本で90年代以降に数々のジャズ・アーティストによるスタンダードを中心としたピアノ・トリオ・アルバムが制作されて、日本のファンの間で大変人気でしたが、ローランド・ハナもその一人でした。そういう意味ではこのアルバムはその先駆的な位置づけのアルバムのひとつだった、とも言えそうです。
また、その呼び名で“サー・ローランド・ハナ”という表記を見かけたことがある方も多いかを思われますが、これは1970年、リベリアの大統領から、教育のための資金調達を目的とした国内でのコンサート活動が認められた際、名誉ある爵位を受けており、それ以降の本人の名称となったものです。
2002年に70歳で没するまで生涯現役でした。そして今年は没後20年にあたります。

国内盤CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年07月22日 10:00