WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.189
トミー・フラナガン『トミー・フラナガン・トリオ』(1960)
トミー・フラナガン(p)
トミー・ポッター(b)
ロイ・ヘインズ(ds)
1960年5月18日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.イン・ザ・ブルー・オブ・ジ・イヴニング
02.ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド
03.ヴェルヴェット・ムーン
04.カム・サンデイ
05.ボーン・トゥ・ビー・ブルー
06.ジェス・ファイン
07.イン・ア・センチメンタル・ムード
【アルバム紹介】
1.“名盤請負人”トミー・フラナガンの60年代初頭のピアノ・トリオ作
2.ロマンティックでムーディなスタンダード曲がメイン、エレガントな演奏で魅了
3.落ち着いたタッチとフレージングが見事なフィーリングを醸し出す
前回に引き続き、渋好み系ピアニストを紹介します。
今回は数々の名盤に参加していることから“名盤請負人”の異名で知られるトミー・フラナガンの60年代初頭のピアノ・トリオ作になります。
レーベルはプレスティッジのサブ・レーベルであるムーズヴィルからのアルバムで、バラード系の演奏を特徴とするコンセプトゆえ、ロマンティックでムーディなスタンダードをメインに、1曲オリジナルの“ジェス・ファイン”もありつつ、極上ともいえるエレガントな美的演奏で魅了する逸品です。トミー・フラナガンの落ち着いたタッチとフレージングが見事なフィーリングを醸し出しています。
メンバーはべースにトミー・ポッター、ドラムスに名プレイヤー、ロイ・ヘインズを配した最良のメンバーになっており、どの楽曲もハズレのない絶品の解釈で聴けるところも大きな魅力になっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ちょっぴりリラクシング、ムーディな “イン・ザ・ブルー・オブ・ジ・イヴニング”。
まるでどこか高級ホテルのラウンジにいるかのような、そんなエレガントなナイトタイムの始まりを思わせる演奏です。
もともとはトミー・ドーシー楽団が1942年にレコーディングした楽曲で、ここではトミー・フラナガンがリラクシング・ムード満点の演奏で聴かせます。ベースは低域を豊かに響かせたライン、ドラムスはブラシ・ワークで繊細にリズムを刻みます。
トミー・フラナガンは、村上春樹氏の著書にも登場することで知られたピアニストで、その点では日本人には馴染みのある存在です。またその持ち前の才能ゆえ、同時代のピアニストにも影響を与えているのは当然ながら、次世代のケニー・バロンら数々のピアニストにも大きな影響をあたえている、まさにレジェンドに相応しいピアニストのひとりと言えるでしょう。
名盤請負人の名の通り、サイドに回っての引き立て役としても申し分のないアプロ―チゆえ、モダン・ジャズ・ピアノという範疇の中では、非の打ちどころのないプレイ・スタイルがその人気の秘密でもありました。
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タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2022年07月29日 10:00