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2022年 ノンフイクション本大賞 ノミネート作品を紹介!

2022年 Yahoo!ニュース|本屋大賞「ノンフイクション本大賞」ノミネート作品が決定いたしました!大賞の発表は11月上旬予定です。


2022年 ノンフィクション本大賞 ノミネート作品


『朝日新聞政治部』鮫島浩
2014年、朝日新聞を次々と大トラブルが襲う。「慰安婦報道取り消し」が炎上し、福島原発事故の吉田調書を入手・公開したスクープが大バッシングを浴びる。著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」へと転落。保身に走った上司や経営陣は、次々手のひらを返し、著者を責め立て、すべての責任を押し付けた。戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治部。その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。

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『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』鈴木忠平
いま、球界で名将と呼べる監督はいるのだろうか。いるなら、それはどのような人物なのだろうか。この本はそうした思いから始まっている。善悪や是非、白か黒か。鈴木忠平さんはいずれにも偏らず、取材対象との間合いを保つことに努めた。その結果生まれたこのノンフィクションは、プロ野球選手がレギュラーであり続ける覚悟、ライターがものを書くことの覚悟、そして落合博満監督の、勝つために嫌われる覚悟を鮮烈に描き切っている。それにしてもこの本が持つ力は何であろう。一体、何人の人生を変えるのだろうか。

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『さよなら、野口健』小林元喜
様々な社会活動で知られる「アルピニスト」野口健。著者は作家を志しながらも野口のマネージャーを勤め、18年間で3回、事務所への出入りを繰り返した。「縁切り」を覚悟して書かれた本書では、野口の真実の姿と、その映し鏡のような著者の半生が赤裸々に語られる。野口は登山家としては三・五流なのか。なぜ、橋本龍太郎隊が置いてきた酸素ボンベをエベレストから持ち帰ったのか。なぜ、選挙で小池百合子を応援し続けたのか。そして、野口と著者が別離と和解を繰り返した理由とは。二人の魂の彷徨を綴った、新しいノンフィクションです。

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『ソ連兵へ差し出された娘たち』平井美帆
1945年夏――。日本の敗戦は満州開拓団にとって、地獄の日々の始まりだった。崩壊した「満州国」に取り残された黒川開拓団(岐阜県送出)は集団難民生活に入った。しかし、土地を奪われた恨みなどから、現地民の襲撃は日ごとに激しさを増していく。団幹部らは進駐していたソ連軍司令部に助けを求めたが、今度は下っ端のソ連兵が“女漁り”や略奪を繰り返すようになる。頭を悩ました団長たちが取った手段とは……。被害者女性らへの綿密な取材を通して、恐るべき「歴史の闇」の全貌を解き明かします。第19回開高健ノンフィクション賞受賞作。

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『妻はサバイバー』永田豊隆
結婚4年目、29歳のときに異変をきたした妻に寄り添い続けた日々が克明に描かれる、朝日新聞記者によるルポルタージュです。摂食障害、アルコール依存、そして46歳で認知症に。その壮絶な介護体験は、朝日新聞デジタルの連載時から大きな反響がありました。執筆の後押しをしたのは妻の「ぜひ書いてほしい。私みたいに苦しむ人を減らしたいから」という言葉でした。静かな筆致で綴られる二人の姿から、あなたは何を感じとるでしょうか。本書が広く読まれることで、社会のサポート体制が充実し、家族の愛情頼りになるのではなく、誰もが生きやすい社会が実現すればと強く祈らずにはいられません。

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『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』川内有緒
「目の見えない人とアートを見る?」タイトルへの素朴な疑問は、やがて驚きとともに解消されます。全盲の白鳥建二さんと現代アートや仏像を前に会話するたびに現れるのは、これまで見えていなかった世界。生と死、障害を持つということ、差別意識、夢について、アートの力……。まるでその場で一緒に鑑賞して、おしゃべりをしているかのような読書体験のなか、常識が気持ちよく覆され、知らなかった自分自身も姿を現します。数多くのアート作品画像や、本に隠された仕掛けもお楽しみください。

タグ : 書籍

掲載: 2022年08月05日 16:55