Naxos~2022年9月第2回発売新譜情報(6タイトル)
[スッペ:劇付随音楽『八十日間世界一周』/Naxos Music 公式チャンネルより]
今回は世界初録音となるスッペの劇音楽“八十日間世界一周”のナレーションなしヴァージョンに、故郷でオルガニストとしても活躍していたエルガーのオルガン作品集、ブレイナーの穏やかでロマンティックなピアノ・ミュージック 第3集『朝と、夕べと、夜遅く』、MARCO POLOからの移行盤となる『ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第11集』など、世界初録音を含むCD6タイトルがリリースされます。
エドワード・エルガー(1857-1934):オルガン作品全集
トム・ウィンペニー(オルガン)
「愛の挨拶」などで知られるイギリスの作曲家エドワード・エルガーは、若い頃にヴァイオリン奏者として活動しましたが、故郷のウスターにあるセント・ジョージ・カトリック教会のオルガニストを務めていた時期もあり、彼にとってオルガンは音楽的素養の形成に欠かせない楽器のひとつでもありました。
このアルバムでは1895年作曲の「オルガン・ソナタ第1番」を中心に、エルガーのオルガンのためのオリジナル作品すべてと、エルガー自身による編曲、および現代の著名なオルガニスト4人による編曲を聴くことができます。オルガン・ソナタ第1番はアメリカの教会音楽家たちがウスターを訪れた際、エルガーの親友であったオルガニスト、ヒュー・ブレアから依頼を受け書き上げたもの。多彩な音色を駆使した交響的な作品で、一部の主題はエルガーがブレアに献呈したカンタータ『黒騎士』のテーマに似ているといわれています。エルガーの友人であるアイヴァー・アトキンスは「セヴァーン組曲」をオルガン用に編曲することをエルガーに勧めましたが、彼はアレンジすることなく、アトキンスが着手。各々の楽章にタイトルが付いた「オルガン・ソナタ第2番」として仕上げています。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
フランツ・フォン・スッペ(1819-1895):劇付随音楽『八十日間世界一周』(1874)
ダリオ・サルヴィ(指揮)ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
世界を80日間で一周しようと試みるイギリス人資産家フィリアス・フォッグの奮闘を描いたジュール・ヴェルヌの冒険小説『八十日間世界一周』。この小説が出版された1873年の時点では、船と陸路による世界一周旅行は命がけの冒険で、主人公がイギリスから東へ向かってアラビア半島、インド、中国をめぐり、日本(横浜)から太平洋を渡りアメリカへ、そして大西洋を越えて帰国する物語は大ヒットとなりました。
小説はすぐに舞台化され、ウィーンのカール劇場で1875年3月に舞台上演された際には、ここに収録されたスッペの音楽が使われました。スッペは、主人公フォッグが経験する異国での風物や冒険を音で描き、ゴールド・ラッシュに沸くアメリカの印象も取り込んでいて、現代の映画音楽のよう。このサルヴィによる演奏では台詞を省き、スッペのカラフルで雄弁な音楽を十分に楽しめます。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
ピーター・ブレイナー(1957-):朝と、夕べと、夜遅く~穏やかでロマンティックなピアノ・ミュージック 第3集
ピーター・ブレイナー(ピアノ)
「ビートルズ・ゴー・バロック」などのユニークなアレンジ作品で知られるピーター・ブレイナー。彼はまた並外れた才能を持つ作曲家であり、ピアニストでもあります。
この『穏やかでロマンティックなピアノ・ミュージック』はこれまでに第1集と第2集がリリースされており、どちらも大変な人気を誇っています。第3集となるこのアルバムでは、彼自身のオリジナル作品を中心に収録。穏やかな旋律美溢れる、親しみやすく繊細な作品が並びます。また、今作でもブレイナーのアレンジの妙は健在。以前は「モーツァルトの子守歌」として親しまれていたトラック15のベルンハルト・フリースの「子守歌」も、ブレイナーの手にかかると、モダンな装いに生まれ変わっています。
(ナクソス・ジャパン)
MARCO POLO 8.223518のレーベル移行盤
ブリティッシュ・ライト・ミュージック 第11集~ロン・グッドウィン(1925-2003):組曲「ドレイク400」、633爆撃隊 - テーマ 他
ロン・グッドウィン(指揮)ニュージーランド交響楽団
ロン・グッドウィン(本名:ロナルド・アルフレッド・グッドウィン)はイギリスの作曲家。華麗な映画音楽で知られ、ゴールデングローブ賞やアイヴァー・ノヴェロ賞など数多くの受賞経験を持っています。とりわけ、彼が得意としたのは戦争映画のための音楽で、アルバムに収録された『633爆撃隊』はグッドウィンにとって初となる戦争映画音楽への挑戦であり、ノルウェーにあるドイツの軍需工場が空襲されるというストーリーに沿った雄大な音楽は絶大な人気を誇りました。もちろん彼は戦争映画の音楽だけを書いたわけではなく、世界一周の旅を終えて帰還したフランシス・ドレイク卿を讃えた『ドレイク400』や、彼が1970年代から定期的に訪れていたニュージーランドにまつわる『ニュージーランド組曲』などでも、オーケストレーションの妙を活かした素晴らしい作品を書き上げています。このアルバムはグッドウィン自身がニュージーランド交響楽団を指揮した演奏を収録したもの。まさにベスト・アルバムと言える1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
世界初録音
『アルケミー』~21世紀のトランペットと管弦楽のための作品集
ファビオ・ブルム(トランペット)、ノアム・ズール(指揮)セビーリャ王立交響楽団
ブラジルのリオデジャネイロ出身のトランペット奏者ファビオ・ブルム。30か国以上でソリスト、オーケストラ・メンバー、教師として演奏した経験があります。
この「Alchemiy 錬金術」と名付けたアルバムでは、錬金術師が4つの元素を組み合わせて新しい物質を作るように、4人の作曲家による多彩な作品を紹介しています。ガブリエル・ロベルトがブルムのために作曲した「ソラリア」はコロナ禍によって委縮した社会が息を吹き返す様子をイメージし、セルヴォの 「ブラジルの四季」は自然界の色彩豊かなパノラマを表現しています。最初のロックダウン下で書かれたテスカリの「9つのムード」は激しく揺れ動く気分を表現、ズールの「深き淵より」は祈りと瞑想的な雰囲気に支配されています。最後に収録された「東京組曲」は日本フィルの委嘱作品で、2015年12月にオッタビアーノ・クリストーフォリをソリストに東京で初演されました。高層ビル群や群衆行き交う街の喧騒から静かな神社仏閣まで、日本が外国からの旅人に見せる多種多様な顔と、それに触れた旅人の心に湧き上がる驚き、困惑、興奮、感動などを描いています。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
エーリッヒ・ツァイスル(1905-1959):歌曲集
ウルフ・ベストライン(バリトン)、チャールズ・スペンサー(ピアノ)
ウィーンに生まれ、早くから音楽の才能を発揮、14歳でウィーン音楽院に入学し15歳で最初の歌曲を書いたという作曲家エーリッヒ・ツァイスル。ウィーンで華々しい活躍を始めるも、ユダヤ系であった彼はナチスの侵攻に伴いニューヨークに亡命、ハンス・アイスラーの口添えでハリウッドにて映画音楽の作曲に携わります。いくつかの映画のために曲を書いたものの、製作主との主張の違いから存分に力を発揮することができなかったツァイスルは、「ヘブライ・レクイエム」などの宗教色の強い作品などを手掛けることで自身の方向性を見出していきます。このアルバムに収録された彼の歌曲はすべて1939年の亡命前に作曲されたものであり、どれも不協和音にも時折美しい響きが感じられる、後期ロマン派風の半音階的和声を伴う旋律が特徴です。また曲間に挿入された伝承曲の編曲については、書かれた年代は不明ですが、ツァイスル自身の作品とは違い親しみやすい曲調が耳に残ります。
「メロディーは音楽の核心であり、メロディーを構築することはできない。メロディーは音楽的才能の本質である」。と語ったというツァイスルのメッセージが込められた歌曲集、21曲が世界初録音です。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年08月17日 00:00