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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.193

ウェス・モンゴメリー『ボス・ギター』(1963)

WM

ウェス・モンゴメリー(g)
メル・ライン(org)
ジミー・コブ(ds)

1963年4月22日、ニューヨークにて録音

曲目(LP発売時):
01.ベサメ・ムーチョ
02.ディアリー・ビラヴド
03.酒とバラの日々
04.ザ・トリック・バッグ
05.カナディアン・サンセット
06.フライド・パイズ
07.そよ風とわたし
08.フォー・ヘヴンズ・セイク

【アルバム紹介】
1.名ギタリスト、ウェス・モンゴメリーの1963年の隠れ名盤
2.オルガン・トリオ編成で聴かせる逸品
3.オクターヴ奏法、シングル・ノートでのプレイ、美しいまでのコードワークが存分に楽しめる

9月に入りまして1ヵ月の予定で、ギタリストの名盤を紹介します。
最初の今回は名ギタリスト、ウェス・モンゴメリーの隠れ名盤になります。

1963年にリヴァーサイド・レーベルに残したオルガン・トリオ編成で聴かせる逸品です。 トレードマークともいえるオクターヴ奏法はもちろん、シングル・ノートでのプレイや、美しいまでのコードワークが存分に楽しめる1枚です。
オルガン入りトリオゆえ、ソウル・ジャズ・テイストが強いかといえばそうではなく、メロディーがしっかりしたナンバーを取り上げており、60 年代の香り漂うジャズ・ギター・アルバムです。

オルガンにはメル・ライン、ドラムスにはヴァ―サタイルな実力派ジミー・コブが参加しており、スタンダード・ナンバーに加えて、2曲のオリジナル(4曲目と6曲目)という構成になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ボッサなビート、オクターヴ奏法による“カナディアン・サンセット”。

邦題“カナダの夕陽”で知られるこの曲はジャズ・ピアニストのエディ・ヘイウッドが書いたナンバーで、1956年に全米チャート2位を獲得、その後アンディ・ウィリアムスにも歌われてヒットしたポピュラーな1曲です。
ボッサ・ビートによる短いイントロのあと、ウェスによるオクターヴ奏法でテーマが提示されてゆき、バックの静かなオルガンとのハーモニーのマッチングがどこか“夕陽の情景”を想起させます。
テーマ提示後はウェスのシングル・ノートによる歌心あるソロに移り、続いてオルガンのソロとなりますが、ウェスはバッキングにまわりコードを刻み、イージーな心地よささえ感じさせる演奏を展開します。やがてテーマに回帰し、再びイントロのボッサ・ビートでエンディングとなります。
ウェス・モンゴメリーはピックを使わない、親指の柔らかいところでピッキングする独特の奏法だったため、多くのプレイヤーに影響を与えながらも誰一人同じように弾けなかったと言われています。またそれゆえ、フルアコースティックのギターからよりファットで温かみのある音色を引き出すことが出来たのです。
本作はトリオというミニマム編成ゆえ、ウェスのギターの魅力を全方位からたっぷり楽しめる聴きごたえのあるアルバムです。

国内盤SHM-CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年09月02日 10:00