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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.206

モニカ・ゼタールンド・ウィズ・ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビイ』(1964)

MZ

モニカ・ゼタールンド(vo)
ビル・エヴァンス(p)
チャック・イスラエル(b)
ラリー・バンカー(ds)

1964年8月スウェーデン、ストックホルムにて録音

曲目(オリジナルLP発売時):
01.降っても晴れても
02.ビューティフル・ローズ
03.ワンス・アポン・ア・サマータイム
04.ソー・ロング・ビッグ・タイム
05.モニカのワルツ(ワルツ・フォー・デビイ)
06.ラッキー・トゥ・ビー・ミー
07.悲しい風
08.イット・グッド・ハプン・トゥ・ユー
09.サム・アザー・タイム
10.イン・ザ・ナイト

【アルバム紹介】
1.スウェーデンの歌姫、モニカ・ゼタ―ルンドとビル・エヴァンスの共演盤
2.“ワルツ・フォー・デビイ”の女性ヴォーカル版
3.歌伴に徹しているビル・エヴァンス・トリオの魅力

12月に入り、今回からピアニスト、ビル・エヴァンスの“共演盤”にスポットをあててご紹介します。
まず最初の一枚はスウェーデンの歌姫、モニカ・ゼタ―ルンドとの共演盤です。

モニカ・ゼタ―ルンドは本国では絶大な人気を誇った歌手/女優ですが、彼女のサクセス・ストーリーともいえる自伝的映画『ストックホルムでワルツを』(2014)でその生き様を知った人も多いでしょう。

本作はビル・エヴァンスの代表曲である“ワルツ・フォー・デビイ”の女性ヴォーカル版が収録されており、過去にこのコーナーではそのサックス版を収録したキャノンボール・アダレイのアルバムも取り上げました(WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.119)。
バックをつとめるビル・エヴァンス・トリオのメンバーはベースがチャック・イスラエル、ドラムスがラリー・バンカーです。普段はトリオ演奏でじっくりとインタープレイを聴かせる面々がここではモニカのヴォーカルを前面に出した歌伴に徹しているところもひとつの聴きどころだと言えます。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
エヴァンス名曲のヴォーカル版 “モニカのワルツ(ワルツ・フォー・デビイ)”。

ビル・エヴァンスの大人気曲のヴォーカル・バージョンとしては、このモニカのバージョンがもっとも有名で、ここで歌われている歌詞は母国語のスウェーデン語になっています。英語の歌詞で歌われたのはほぼ同時期にトニー・ベネットがレコーディングしたものがあります。
短いピアノのイントロに導かれ、モニカがテーマ・メロディーを歌い出します。ワン・コーラス目はドラムレスで進行、ツー・コーラス目からはリズムがワルツから4ビートに変わり、歌を発展させてゆきます。曲は間奏が入ることもなくそのまま、モニカの歌唱でエンディングをむかえますが、時間にして3分もなく、非常にコンパクトにまとまっているヴォーカル版、と言えそうです。
本作はこの“モニカのワルツ(ワルツ・フォー・デビイ)”を含む4曲が母国語で歌われており、他は英語詞による “降っても晴れても”、“イット・グッド・ハプン・トゥ・ユー”といった有名スタンダードがあり、ジャズ・シンガーとしてのモニカの本質が伺えるようになっています。

国内盤CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年12月02日 10:00