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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.228

スティーヴ・キューン『トランス』(1975)

SK

スティーヴ・キューン(p,el-p)
スティーヴ・スワロウ(b)
ジャック・ディジョネット(ds)
スー・エヴァンス(per)

1974年11月11日、12日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.トランス
02.ア・チェンジ・オブ・フェイス
03.スクァート
04.ザ・サンドハウス
05.サムシング・エヴリホエア
06.シルヴァー
07.ザ・ヤング・ブレイド
08.ライフズ・バックワード・グランス

【アルバム紹介】
1.耽美派のピアニストとして知られるスティーヴ・キューンの1975年の意欲作
2.ロック、ブラジリアン、アバンギャルドなど多彩な要素が見え隠れする演奏が特徴
3.アコースティック・ピアノだけでなく、エレクトリック・ピアノも演奏

5月はECMレーベルの名盤を紹介しています。
今回は耽美派のピアニストとして知られるスティーヴ・キューンの1975年の意欲作です。

1970年代らしく、ロック、ブラジリアン、アバンギャルドなど多彩な要素が見え隠れする演奏が特徴のアルバムで、スティーヴ・キューンはアコースティック・ピアノだけでなく、エレクトリック・ピアノも弾いています。
同時期に『エクスタシー』というソロ・ピアノ・アルバムも同じECMでレコーディングしていますが、本作は、ある意味実験的な要素も随所に感じられるインパクトのある一枚です。

メンバーは巧みなエレクトリック・ベースを操るスティーヴ・スワロウ、ヴァ―サタイルなビートを叩き出すドラムスにジャック・ディジョネット、変幻自在なパーカッションにスー・エヴァンスといった顔ぶれで、楽曲はすべてスティーヴ・キューンのオリジナルで構成されています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ジャズ・ロック・ビートにエレピが乗る“ア・チェンジ・オブ・フェイス”。

この時代のスティーヴ・キューンはエレクトリック・ピアノの使い手としては超一級のアプローチを聴かせており、その一端がこの曲では伺えます。
叙情的なエレピ・オンリーのイントロから一転してジャズ・ロック風のグルーヴ・ビートに乗ってゆくテーマ部分はクラブ系リスナーにもアピールする躍動感、続いて高速4ビートに乗ってエレピ・ソロが展開、バックのべース、ドラムス、パーカッションの自在なリズムの動きも聴きどころです。やがて、テーマが回帰すると、ラテン風なリズム・アレンジも聴かせつつ、エンディングへと突入してゆきます。
いわゆるスタンダードなジャズ・アルバムとは違ったコンセプトが伺える内容ですが、当時としてはかなり斬新で先鋭的なものであったと思われます。こういった70年代のいい時代の音楽を振り返るにはECMのアルバムは秀作揃いと言っても良いでしょう。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年05月19日 10:00