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アルブレヒト・マイヤー『Bach Generations』~バッハ一族による作品のオーボエ編曲集

アルブレヒト・マイヤー

3世代の作品をオーボエ編曲で辿る、"バッハ家への音楽による招待状"

ドイツのオーボエ奏者アルブレヒト・マイヤーのニュー・アルバムは、ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)とその一族による作品のオーボエ編曲集です。世界最高のアンサンブルの一つ、ベルリン・バロック・ゾリステンと共演しています。

演奏されているのは、ヨハン・セバスティアン・バッハの大叔父であるヨハン・クリストフ(1642-1703)で始まり、2人の息子カール・フィリップ・エマヌエル(1714-1788)とヨハン・クリストフ・フリードリヒ(1732-1795)で終わるバッハ一族の3世代の作品です。というわけで、このコンピレーションはバッハ家への音楽による招待状と言えるかもしれません。最も初期の作品はヨハン・クリスティアンのラメント「ああ、私の頭が水で満ちていたなら」の編曲版で、原曲は1670年代初期にアイゼナハで作曲されたアルトと弦楽のための作品です。非常に表現力に富む作品で、執拗な不協和音に満ちているのは、その歌詞の中で人間の魂が罪に打ちひしがれ、涙を流していることを反映しているからです。ヨハン・セバスティアンの仕事は多岐にわたり、長く残っている作品も同様に変化に富んでいます。「協奏曲イ長調BWV1055」は勢いのある陽気な作品で、おそらくケーテン時代の作品です。私たちにとってはコレギウム・ムジクムのために、1730年代後期にライプツィヒでバッハが編曲したチェンバロと弦楽版のみで知られていますが、ソロとトゥッティの生き生きとしたかけあいは原曲がむしろもっと早い時期のものであることを示唆しており、おそらく1721年頃ケーテンで書かれたものと思われます。オリジナルのソロ楽器はオーボエだったのではないかという声も多くあります。一方、『復活祭オラトリオ』の「私の死の憂いは和らぎ」は明らかにバッハのライプツィヒ時代に書かれています。この牧歌的な曲は初め1725年にザクセン=ヴァイセンフェルス公クリスティアンの誕生日のための世俗カンタータとして作曲されました。そのメロディは不滅の名作『G線上のアリア』や冗談を意味する『バディネリ』と同様覚えやすいもので、おそらくバッハのよく知られた器楽作品の一つとなるでしょう。その他、バッハの仲間であるゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェルによる「あなたがそばにいてくだされば」、ヨハン・クリストフ・フリードリヒの「鍵盤楽器のための協奏曲イ長調」、カール・フィリップ・エマヌエルの「チェンバロ協奏曲ト長調」が収録されています。

アルブレヒト・マイヤーが2021年に発売した『モーツァルト・アルバム』は、ドイツ・クラシック・チャートで2ヵ月連続1位になるなど大成功を収めています。
(ユニバーサル・ミュージック/IMS)

【曲目】
J.S.バッハ:
1-3) チェンバロ協奏曲第4番イ長調BWV1055(オーボエ・ダモーレ&バロック・アンサンブル編)
4) エア(管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068より第2曲)(コーラングレ&弦楽編)
5) バディネリ(管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067より第7曲)(M.シュピンドラーによるオーボエ&弦楽編)
6-8) J.C.F.バッハ:鍵盤楽器のための協奏曲第2番イ長調(M.シュピンドラーとA.マイヤーによるオーボエ&弦楽編)
9) ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェル:あなたがそばにいてくだされば(J.S.バッハのアリアBWV508より)(オーボエ、ヴァイオリン&弦楽編)
10) J.S.バッハ:私の死の憂いは和らぎ(復活祭オラトリオBWV249より第7曲)(オーボエ・ダモーレ、2つのリコーダー&弦楽編)
11-13) C.P.E.バッハ:チェンバロ協奏曲ト長調(M.シュピンドラーとA.マイヤーによるオーボエ&弦楽編)
14) J.C.バッハ:ああ、私の頭が水で満ちていたなら(ラメント)(M.シュピンドラーによるコーラングレ、ヴァイオリン&弦楽編)

【演奏】
アルブレヒト・マイヤー(オーボエ・ダモーレ[1-3,10]、オーボエ[5-9,11-13]、コーラングレ[4,14])
ベルリン・バロック・ゾリステン
ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(ヴァイオリン)(9,14)

【録音】
2023年1月28日-2月1日、ベルリン、シーメンスヴィラ

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年05月26日 12:00