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古楽器集団「レ・レクレアシオン」によるバッハ:フーガの技法(未完部分補筆完成版)


[Outhere Music 公式チャンネルより]

バロック楽器による「拡大された弦楽四重奏」が織りなす音楽史上の傑作

バッハが生きていた時代に存在したモデルの弦楽器で、弦楽四重奏編成を基本としながら、古典派時代以降に廃れていった楽器も用いて作品本来の姿に迫った新録音。
多声音楽の大家バッハが老境に差し掛かる頃、自らの対位法芸術の総決算として作曲を進めながら、最晩年に終曲を仕上げ切らないまま未完で終わった『フーガの技法』は楽譜上に楽器の指定がなく、鍵盤独奏からオーケストラまで多種多様な編成で演奏されて後世の人々を驚かせてきました。
弦楽四重奏もよく使われてきたものの、古典的な3種の楽器ではヴィオラ・パートなどで音域的に対応しづらい局面が出てきてしまうのが難点(バロック以前の作法でオルガン曲をガンバ合奏にした場合に近く、低音寄りになる曲も少なくありません)。

「最古の弦楽四重奏曲」とされるA.スカルラッティの4声ソナタ群の録音(RIC422)で注目を浴びたレ・レクレアシオンはそこで、フランス・バロック流の小型ヴァイオリン(イタリア語の呼称ヴィオリーノ・ピッコロで知られる楽器)と通常のチェロより高い音域に対応できる18世紀のチェロ・ピッコロも導入、全てバッハが書いた通りの音符で全編演奏を実現しました。
最後の断筆部分は残された楽譜のまま演奏される場合もありますが、ここでは古楽再現の作法に従いヴァイオリンのマチュー・カミレリが独自の終結部を提案。曲集冒頭の主題に立ち返って締めくくる補筆案は独特の説得力を持って響き、全編を通して聴くとひときわ印象深く感じられるに違いありません。

ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフでも活躍してきた音楽学者ジル・カンタグレルとアンサンブル自身によるライナーノート解説文(仏、英、独語)も、作品演奏史と実践ノウハウの両面から興味深い内容になっています。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750): フーガの技法 (1749/未完)
1. コントラプンクトゥス1
2. コントラプンクトゥス2
3. コントラプンクトゥス3
4. コントラプンクトゥス4
5. 8度のカノン
6. コントラプンクトゥス5*
7. コントラプンクトゥス6: フランス様式による4声フーガ*
8. コントラプンクトゥス7: 拡大と縮小を伴う4声フーガ*
9. 3度の転回対位法を伴う10度のカノン
10. コントラプンクトゥス8: 3声で
11. コントラプンクトゥス9: 12度の4声フーガ
12. コントラプンクトゥス10: 10度の4声フーガ
13. コントラプンクトゥス11: 4声のフーガ
14. 5度の転回対位法を伴う12度のカノン
15. コントラプンクトゥス12(正位形): 4声のフーガ
16. コントラプンクトゥス12(転回形): 4声のフーガ
17. コントラプンクトゥス13(正位形): 3声のフーガ
18. コントラプンクトゥス13(転回形): 3声のフーガ
19. 拡大と反行を伴うカノン
5. コントラプンクトゥス14(補筆・再構成: マチュー・カミレリ)*

末尾に第5声部の提示を付加

【演奏】
レ・レクレアシオン(古楽器使用)
マチュー・カミレリ(ヴァイオリン、ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴィオラ)
サンドリーヌ・デュペ(ヴァイオリン、ヴィオラ)
クララ・ミューレターラー(ヴィオラ、ヴァイオリン)
ジュリアン・アンスウォルト(チェロ・ピッコロ)
五味敬子(チェロ)

【録音】
2022年9月12-15日、聖母被昇天教会、バス・ボドゥー(ベルギー東部リエージュ州)

収録時間: 73分

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年07月21日 00:00