ジョン・バット&ダニーデン・コンソートによるモーツァルト:ミサ曲 ハ短調 (ケンメ補筆版)、C.P.E.バッハ:聖なるかな、万軍の主なる神
[Linn Records 公式チャンネルより]
ダニーデン・コンソートとジョン・バットが描く、校訂・補筆を経たモーツァルト未完の傑作
18世紀当時のモデルの楽器と演奏様式を徹底追求、バッハやヘンデルの大作声楽曲などでユニークな演奏解釈を送り出してきたダニーデン・コンソートが、古典派の未完大作を録音、同じく二重合唱を活かしたC.P.E.バッハ晩年の充実作と共に一つのアルバムにまとめました。
モーツァルトが結婚式を挙げるためザルツブルクに一時帰郷した1783年に作曲したものの未完に終わったハ短調ミサ曲K. 427は、20世紀以降ランドン(1956)、バイヤー(1989)、モンダー(1990)、レヴィン(2005)など数々の音楽学者により校訂・補筆がなされましたが、ここではブライトコップフ&ヘルテル社から2018年に刊行されたオランダの音楽学者クレメンス・ケンメによる補筆が採用されています。
ケンメの補筆校訂は2012年に録音されたペーター・ダイクストラ指揮の録音でも話題になりましたが、先行録音はあるものの、コンパクトな編成で楽譜の特徴をよく伝えるダニーデン・コンソートの解釈は、2023年8月6日のBBCプロムスでも演奏、放送もされ大きな反響を呼びました。
同日のプログラム前半でも演奏されたC.P.E.バッハ晩年の合唱曲「聖なるかな」は、ミサのサンクトゥスの章をラテン語ではなくドイツ語で、出典である新約聖書の羊飼いへのお告げの場面を生々しく描写するよう仕上げた音楽。こちらも短いながら金管・打楽器が二重合唱を効果的に盛り上げ、声楽・器楽パートの精妙な解釈と相俟ってC.P.E.バッハ特有の書法が大いに迫力を発揮します。両作曲家の異同にも気づかされる刺激的な新録音です。
(ナクソス・ジャパン)
[国内仕様盤は日本語解説付き]
※国内仕様盤には、大津聡氏による日本語解説が付属します。
【曲目】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):
1-12. ミサ曲 ハ短調 K. 427 (クレメンス・ケンメ補筆版)
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788):
13. 聖なるかな、万軍の主なる神 H. 778
【演奏】
ルーシー・クロウ、アンナ・デニス (ソプラノ)
ジェス・ダンディ (アルト)…13
ニコラス・マルロイ (テノール)
ロバート・デイヴィス (バス)
ダニーデン・コンソート(声楽&古楽器アンサンブル)
スティーヴン・ファー(オルガン)
ジョン・バット(指揮)
【録音】
2022年9月20-23日、パース・コンサート・ホール、UK
収録時間: 60分
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年08月22日 00:00