『激ロック』スペシャルコーナー【10月レコメンドアイテム】
BLINK-182 / 『One More Time...』
GENRE : POP PUNK
Tom DeLonge(Vo/Gt)電撃復帰!
ファン待望、黄金トリオによる12年ぶりの新作が誕生!
2022年10月、突如として復帰が発表されたTom DeLonge(Vo/Gt)と、Mark Hoppus(Vo/Ba)、Travis Barker(Dr)の黄金トリオによる今作は、バンドとしては4年ぶりだが、3人が揃ったアルバムとしては12年ぶりの作品。甘酸っぱいポップ・パンクの魅力を存分に発揮しつつ、エモーショナルに訴え掛けるメロディにも磨きがかかり、Tomの2度目の離脱後に加入したMatt Skiba(ALKALINE TRIO/Vo/Gt)の残した影響も感じさせてくれるのが嬉しい。そして、やっぱりファンを泣かせるのはTomとMarkによる唯一無二のハーモニー、ふたりにしかできないコンビネーションのヴォーカル・ワークだ。ここぞとばかりに走りまくったTravisのドラムも最高。広い音楽の海でそれぞれの旅をしてきた3人がまた出会って、ここでしかできない音を鳴らす。最高だ。
山本 真由【ライター推薦】
THIRTY SECONDS TO MARS / 『It’s The End Of The World But It’s A Beautiful Day』
GENRE : ELECTRONIC ROCK, ALTERNATIVE ROCK
オスカー俳優、Jared Leto(Vo/Gt)の新たな挑戦――
エレクトロニック・サウンドとエモーショナルなメロディが交差する
THIRTY SECONDS TO MARSの最新アルバム!
変幻自在な個性派俳優としても活躍するJared Leto(Vo/Gt)と、彼の実兄 Shannon Leto(Dr)によるバンド、THIRTY SECONDS TO MARSが久々に音楽シーンに復帰。先行シングル「Stuck」で十二分に示されていたように、本作はエレクトロニック・サウンドを大々的に取り入れ、ポップな要素も増した音楽性が賛否両論を生んでいるようだ。彼らは寡作なタイプながら常に自分たちの音楽性を変化させてきたバンドであり、その姿勢はJaredの俳優に対するスタンスと同じというのが個人的な印象。名盤『This Is War』のような壮大なロックを求めているのなら肩透かしを食らうかもしれないが、エモーショナルなメロディは健在だし、特にラスト曲「Avalanche」はJaredが優れたヴォーカリストであることを再認識させるアンセミックな名曲であろう。
井上 光一【ライター推薦】
Corey Taylor / 『CMF2』
GENRE : LOUDROCK, HARD ROCK
Corey Taylorのソロ第2弾アルバム!
自由なアイディアと表現力を120パーセント発揮した13曲!
多才で異才、ラウドロック界きってのカリスマ・ヴォーカリスト Corey Taylorが、ソロ名義の第2弾フル・アルバムをリリース! 今作も、SLIPKNOTでもSTONE SOURでもない、しかしどこまでもCorey Taylorなサウンドで、幅広い層のロック・リスナーを楽しませてくれる。SLIPKNOTファン垂涎のシャウトが炸裂するハードな楽曲もあれば、クリアなギター・サウンドでポップに聴かせるナンバーや、渋い感じのハード・ロック・ナンバーもあり、さらにはアコースティック・ギターを基調に優しく歌い上げるバラードでも、Corey Taylorの歌唱力の高さを確認できる。全体的には、前作よりもヘヴィなトラックが多いように感じるが、これは現在のCoreyがクリエイティヴな活動に対し充実した気力を持っていることを表しているのかもしれない。
山本 真由【ライター推薦】
OTEP / 『The God Slayer』
GENRE : NU-METAL, ALTERNATIVE METAL, RAP METAL
8曲のカバーと、“OTEPの帰還”象徴するオリジナル曲収めた約5年ぶりのアルバム
怒りに満ちた鋭くアグレッシヴなサウンドとメッセージ性で、20年以上にわたり確固たる存在感を放ってきたカリスマ・ヴォーカリスト Otep Shamaya率いるOTEPが約5年ぶりのアルバムをリリース。12曲中8曲がカバーで、彼女が以前からリスペクトを示してきたEMINEM、NIRVANA、SLIPKNOTと納得の選曲から、Olivia Rodrigo、Billie Eilish、THE BEACH BOYSと予想外なチョイスまで収められているが、どれも自分のものにしてしまっているのはさすがだ。しかし、やはり必聴なのは「Ostracized」をはじめとするオリジナル曲たち。アジテーションの1行目の通り“OTEPの帰還”を象徴するような音色に、今後も生み出し続けてくれるであろう名曲たちへの期待も高まること間違いなし。
内堀 文佳【ライター推薦】
STAIND / 『Confessions Of The Fallen』
GENRE : NU-METAL, ALTERNATIVE METAL
STAINDが約12年ぶりにカムバック!
若いラウドロック好きにこそ聴いてほしい会心の1枚
文句なし、理想的なカムバックとなった約12年ぶりの最新作。ニューメタル・ブームの中で絶大な人気を誇った4人組による通算8枚目のアルバムで、重厚なヘヴィ・グルーヴと心を震わせる哀愁のメロディが織りなす楽曲群は総じて高いクオリティを誇り、あえて私情たっぷりに言えば私のようなリアルタイム世代が泣いて喜ぶ出来栄え。シーンの中でも屈指の歌唱力持つAaron Lewis(Vo)によるヴォーカル・パフォーマンスの素晴らしさは言うまでもなく、強烈なスクリームまで披露! 彼らに極端な変化などを求める人は恐らくいないだろうし、STAINDが90年代後半から00年代前半にかけてどれほど売れていたかを知らない、という若いラウドロック好きにこそ聴いてほしい会心の1枚である。
井上 光一【ライター推薦】
HAWTHORNE HEIGHTS / 『Lost Lights』
GENRE : EMO, SCREAMO
エモ/スクリーモ界隈で変わらぬ人気を集めるHAWTHORNE HEIGHTSの
いいところがギュッと凝縮された新作EP
エモ/スクリーモ界隈で変わらぬ人気を集めるHAWTHORNE HEIGHTSが、新作EP『Lost Lights』をリリース。結成20年を超えるバンドでありながら、制作スパンもクオリティも変わらず、というかレーベルがPure Noiseに落ち着いて、むしろより精力的に活動できているように見える。今作は5曲入りというコンパクトな構成ながら粒揃いで、Track.1「The Storm」から激しいスクリーム&シャウトが満載、作品全体を通して彼らのエネルギーを感じることができる。そして、そのエネルギッシュな要素に加え、キャッチーでノリやすいリフや、情感たっぷりのエモいメロディも合わさって、HAWTHORNE HEIGHTSのいいところがギュッと凝縮された作品に仕上がっている。
山本 真由【ライター推薦】
KVELERTAK / 『Endling』
GENRE : HEAVY METAL
ブレーキの壊れたブルータリティと超キャッチーなリフやメロディが同居する
KVELERTAK節に降参するしかない通算5枚目のスタジオ・アルバム
前作『Splid』(2020年)が本国ノルウェーでチャート1位を記録、名実共に国民的なロック・バンドとしてその名を刻んだ暴走ロックンロールの化身、KVELERTAKによる通算5枚目となるスタジオ・アルバム。8分近い長尺曲「Krøterveg Te Helvete」で幕を開けるという挑戦的且つ刺激的なオープニングの時点で、バンドとしての自信が感じ取れるというものだろう。ハードコアもパンクもロックンロールもヘヴィ・メタルもハード・ロックもブラック・メタルもカントリー(!)もすべてが彼らの血となり骨となり、ブレーキの壊れたブルータリティと超キャッチーなリフやメロディが同居するKVELERTAK節に降参するしかない。幅広い意味で、ロックを愛するすべての人に大推薦の1枚である。
井上 光一【ライター推薦】
DREAM THEATER / 『Lost Not Forgotten Archives: The Making Of Scenes From A Memory - The Sessions (1999)』
GENRE : PROGRESSIVE METAL
キャリア初のコンセプト・アルバム『Metropolis Pt. 2: Scenes From A Memory』の制作過程を追体験できる公式ブートレグ第21弾
今年の4月から5月にかけて久々の単独来日公演を敢行、日本のファンを喜ばせたプログレッシヴ・メタルの代表格、DREAM THEATER。本作は2021年より定期的にリリースされている“忘るまじ喪失音源集”と名付けられた公式ブートレグ・シリーズの第21弾で、今回は彼らのアルバムの中でも特に評価の高いキャリア初となったコンセプト・アルバム『Metropolis Pt. 2: Scenes From A Memory』(1999年)に焦点が当てられている。いつも通り熱心なファンに向けたメイキング音源集だが、あれほど緻密に作られたアルバムの制作過程を断片的にでも追体験できる、というのはファンはもちろんミュージシャンを志す者であれば貴重な音楽体験となるだろう。
井上 光一【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2023年10月24日 19:43