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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.259

マイルス・デイヴィス『マイルス・アヘッド』(1957)

MA

マイルス・デイヴィス(Flugelhorn)
ギル・エヴァンス(Arranger and Conductor)

1957年5月 6, 10, 23, 27日、8月22日録音

曲目(LP初出時):
01.スプリングスヴィル
02.カディスの乙女
03.ザ・デューク
04.マイ・シップ
05.マイルス・アヘッド
06.ブルース・フォー・パブロ
07.ニュー・ルンバ
08.ザ・ミーニング・オブ・ザ・ブルース
09.ラメント
10アイ・ドント・ワナ・ビィ・キスト(バイ・エニワン・バット・ユー)

【アルバム紹介】
1.マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンスの競演作
2.マイルスはフリューゲルホーンを手にバックには19人編成のジャズ・オーケストラ
3.まるで一つの組曲のようになって構成される個性的な楽曲群

今回から3回にわたってマイルス・デイヴィスのアルバムを紹介してゆきます。
非凡な才能を持った作編曲家のギル・エヴァンスとの共演作を取り上げてみようと思います。

最初の1枚は1957年の『マイルス・アヘッド』です。
簡単に言ってしまうと、マイルス・デイヴィスと、19人編成のジャズ・オーケストラの競演という内容です。しかもここではマイルスはトランペットではなくフリューゲルホーンを吹いており、そのソフトな音色が、ギル・エヴァンスの描く色彩感あふれるアレンジと見事なマッチングを見せています。
また、当時としては珍しかったオーヴァー・ダビングの技術の導入により、マイルスはより完成度の高いソロをレコーディングすることが出来ました(1、5、7、10曲目)。

楽曲はほぼ続けて演奏され、まるで一つの組曲のようになっていますが、個々の曲はそれぞれに個性をもった楽曲で、タイトル曲はマイルスとギルとの共作、その他、デイヴ・ブルーベックの“ザ・デューク”、ガーシュウィンの“マイ・シップ”、アーマッド・ジャマルの“ニュー・ルンバ”などで構成されています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ギル・エヴァンスのアレンジが引き立つタイトル・チューン“マイルス・アヘッド”。

音の魔術師と呼ばれたギル・エヴァンスはジャズ・オーケストラの編成に、通常では使われない楽器=フレンチホルン、チューバを加えて独特のサウンド・マジックを展開しました。そんなアレンジの妙を堪能できる1曲です。ふわりとしたハーモニーが広がる中、マイルスのフリューゲルホーンが響きます。
マイルスとギルのコラボレーションは本作で始まったわけではありませんが、お互いのアイデアはつきることなく、その先のプロジェクトに向かってゆく兆しが本作の中にすでにあります。それはギルの作曲した6曲目の“ブルース・フォー・パブロ”の中です。スペインの作曲家ファリャのフレーズなどを盛り込んでおり、後に発表されるアルバム『スケッチ・オブ・スペイン』への布石ともとれるものになっております。
また本作は2種類のジャケットが存在することでも知られていますが、最初にリリースされたときはヨットに乗った女性と子供のデザインになっていました。マイルスはそのジャケットを気に入らず、再プレスの際に本人のジャケットに差し替えられたという、そんな事情がありました。

国内盤Blu-spec CD2

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年01月12日 10:00