マリンバ奏者 出田りあ『Sugaria~シュガーリア』~いよいよ日本でも本格始動&初のアルバムリリース!
マリンバは歌う。心地よいゆらぎに満ちた美しい音色は、こころを包み込む。
出田りあ(いでた りあ)は、パリコンセルヴァトワールで学び、第1回パリ国際マリンバコンクールで第1位を受賞。
ベルリンを拠点に、エマニュエル・パユ(フルート)、ポール・メイエ(クラリネット)、エリック・ル・サージュ(ピアノ)等、世界のトップアーティストたちと共演を重ね、マリンバの奏法に新たな可能性を求め続けている。繊細かつ心地よいゆらぎに満ちたその演奏は、打楽器に対する既成概念を根底から覆す。ジャンルを超えた多彩な表現力と、自由自在な編曲、演奏技術。いよいよ日本で本格的に演奏活動を開始。
今やマリンバの人気曲となった『Sugaria』。初演を務めた出田りあが、いよいよCD初収録。
(Wisteria Records)
【曲目】
マ・メール・ロワ(眠れる森の美女のパヴァーヌ~パゴダの女王レドロネット~妖精の園)(作曲:ラヴェル 編曲:出田りあ)
海の見える街(映画『魔女の宅急便』より)(作曲:久石譲 編曲:出田りあ)
アヴェ・ヴェルム・コルプス(作曲:モーツァルト 編曲:出田りあ)
リバーダンス(作曲:B.ウィーラン 編曲:出田りあ)
ニュー・シネマ・パラダイス(作曲:E.モリコーネ 編曲:出田りあ)
カヴァティーナ(映画『ディアハンター』より) (作曲: S.マイヤーズ 編曲:出田りあ)
亡き王女のためのパヴァーヌ(作曲:ラヴェル 編曲:出田りあ)
シュガーリア(全3楽章)(作曲:エリック・サミュ 編曲:出田りあ)
アシタカとサン(映画『もののけ姫』)より(作曲:久石譲 編曲:出田りあ)
<本人による解説>
1 マ・メール・ロワ(モーリス・ラヴェル)
マ・メール・ロワは英語でマザーグース。フランスの作曲家モーリス・ラヴェルがおとぎ話を題材に作曲した組曲。物語の冒頭から幻想的な音楽に包まれるこの名曲が、マリンバとピアノの響きでより一層、奥深い想像の世界を創り出します。
2 海の見える街 映画『魔女の宅急便』より(久石譲)
小さい頃から大好きなジブリ映画。その中でも、セリフを全部覚えるほど繰り返し観ていた「魔女の宅急便」のストーリーと音楽は、特に10代の頃の私に力を与えてくれました。「海の見える街」の音楽が持つバロック的な要素を生かして、マリンバの響きに合うようにアレンジしました。
3 アヴェ・ヴェルム・コルプス(W.A.モーツァルト)
私が小学生の頃に入っていた地元の合唱団で出会った曲。この音楽の純粋で静かな美しさに、ただただ感動したのを憶えています。マリンバはよく響くところではパイプオルガンにも似た響きを作り出すことがあります。そんな神聖な響きをイメージしながら、4つの声部と弦楽器の伴奏を合わせて編曲しました。
4 リバーダンス(ビル・ウィーラン)
マリンバは柔らかい響きと共に、原始的な躍動感のあるリズムにもぴったりな楽器。様々な拍子を足で踏み鳴らすアイリッシュダンスと、素朴で民族性漂うアイルランドの音楽の魅力をさらに引き出せるように工夫しました。
5 ニュー・シネマ・パラダイス(エンニオ・モリコーネ)
ある日の夕暮れ、コーラルピンクに金色の光が溶け込んだ空を見つけて、あまりの綺麗さにしばらく眺めていた時に頭の中に流れてきたのは「ニュー・シネマ・パラダイス」のメインテーマと、原曲よりも少し内向的で、静かな、より切ない和音でした。このカバーは、その日の夕空と私の心情が写し出したポートレイトのような存在です。
6 カヴァティーナ 映画『ディア・ハンター』より(スタンリー・マイヤーズ)
マリンバを始めた頃からよく弾いていたギターのレパートリー。その中でも大好きだった「カヴァティーナ」。映画の中で語られる悲しみや苦しみが、あえて明るい音楽(長調)とともに表現されることで、言葉にできない感情を訴えかけます。
7 亡き王女のためのパヴァーヌ(モーリス・ラヴェル)
パリ留学中に特に深く勉強したフランス音楽。その中でもラヴェルの音楽は、何度聴いても何度弾いても、いつも新たな魅力を見つけます。この曲を弾くときは毎回違う大きな絵画を見ているような感覚になるのです。
8-10 シュガーリア(エリック・サミュ)
私がパリでマリンバを学んでいた時の恩師エリック・サミュが、私の名前「りあ」をタイトルに込めて作った曲。パリの街は狭い路地を抜けると表情が一変して、違う言語、料理の匂いに迷い込むことがあります。シュガーリアの音楽も、くるくると表情を変えて、それはパリのお天気にも似ているような。決して楽ではなかったパリ留学時代を、焼きたてのクロワッサンのようにふわっと包み込んでくれる「シュガーリア」の音楽は、私がずっと大切に弾いていきたい音楽です。
11 アシタカとサン 映画『もののけ姫』より(久石譲)
私が故郷・熊本を思うとき、思い浮かべるのはあの壮大な阿蘇の山々です。映画『もののけ姫』で描かれる自然は熊本と重なり、この「アシタカとサン」の音楽からは、"帰る場所" があることへの感謝の気持ちが溢れてくると同時に、世界が平穏になり、皆それぞれの帰る場所が守られる日が来ることを願わずにはいられません。
<出田りあ プロフィール>
マリンバの新たな地平を切り拓くアーティスト
革新をもたらす演奏技術
出田りあは、マリンバの奏法に新たな可能性をもたらした稀有なアーティストです。その繊細かつ心地よいゆらぎに満ちたトレモロは、打楽器に対する既成概念を根底から覆します。ジャンルを超えた多彩な表現力と、自由自在な演奏技術により、聴衆を魅了し続けています。
音楽の旅路:才能の発露
オーストリア・ウィーンに生まれ、2歳から熊本に住む。6歳から熊本の故郷でピアノとマリンバを始めた出田りあ。幼少期から見せた「聴いたら即弾ける」という特殊な才能と編曲の技術は、彼女の音楽人生の土台を築きました。18歳で音楽の更なる追求のためフランス・パリへと旅立ち、パリ国際コンセルヴァトワールで学び、第1回パリ国際マリンバコンクールで第1位を受賞するなど、その才能を国際的にも認められました。
世界を舞台に煌めく才能
出田りあは、ヨーロッパの名高い室内楽音楽祭への出演を果たし、世界各地でその演奏を披露しています。ビューゲンシュトック祭(スイス)、ローランゼック国際音楽祭(ドイツ)、ザグレブ国際音楽祭(クロアチア)など、名だたる音楽祭で演奏し、多くの著名アーティストと共演。日本国内でもギタリスト村治佳織との新しいデュオレパートリーを多く生み出し、マリンバとギターの響きを通じて新たな音楽の地平を切り拓いています。
国際的な舞台で輝く:共演者との出会いと絆
出田りあは、その音楽旅路の中で、世界的に著名な多くの音楽家たちと共演し、彼女の演奏技術と芸術性をさらに磨き上げてきました。これらの共演は、彼女の演奏が持つ幅広いアプローチと、異なる音楽ジャンルや文化を横断する能力を示しています。
共演してきたグローバルアーティストたち
エマニュエル・パユ(フルート奏者)、ポール・メイエ(クラリネット奏者)、アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット奏者)、フランソワ・ルルー(オーボエ奏者)、エリック・ルサージュ(ピアニスト)、リリー・マイスキー(チェリスト)、小菅優(ピアニスト)、ガイ・ブラウンシュタイン(ヴァイオリニスト)、樫本大進(ヴァイオリニスト)、ナビル・シェハタ(コントラバス奏者)など、ジャンルを超えた多彩なアーティストと舞台を共にしてきました。
これらの共演を通じて、出田りあはマリンバという楽器の持つ魅力と可能性を、より広い音楽の世界へと拡げています。各国の音楽祭での演奏や、新しいデュオレパートリーの創出など、彼女の活動はマリンバをクラシック音楽の枠を超えた多様なジャンルへと導いています。
革新的なコラボレーションと委嘱作品
2012年からはミュンヘン室内オペラの専属アーティストとして、マリンバを含む室内オーケストラでの演奏で新たな表現を模索。また、エリック・サミュ、オハド・ベン・アリ、藤倉大らの作曲家とのコラボレーションで、多くの世界初演を行い、マリンバの可能性をさらに広げています。
音楽教育への貢献
出田りあは、平成音楽大学とロンドン芸術アカデミー(LPMAM)で客員教授を務め、後進の指導にも熱心です。彼女の経験豊かな知識と技術の伝達は、次世代の音楽家たちに大きな影響を与えています。
マリンバ奏者、出田りあは、その卓越した技術と革新的なアプローチで、世界中の音楽シーンに新たな風を吹き込んでいます。
マリンバという楽器の魅力を最大限に引き出し、聴衆に深い感動を与え続ける彼女の演奏は、まさに見逃せないものです。
音楽と文化の交差点であるベルリン在住、世界各地で活躍を続けています。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2024年05月02日 00:00