グリュミオーの師!アルフレッド・デュボワ『協奏曲集と小品集』~モーツァルトの6番、ヴュータンの5番、小品の数々
グリュミオーらの師としてフランコ=ベルギー楽派を現代につないだアルフレッド・デュボワ。
彼が遺した2つの協奏曲録音他を復刻。
イザイの無伴奏ソナタ第3番などの併録曲の数々も魅力的です。
アルフレッド・デュボワは12歳でブリュッセル音楽院に進んでアレクサンドル・コルネリスにヴァイオリンを学び、3年後にはプルミエ・プリを得ました。卒業後もコルネリスに個人的に師事し続けましたが、イザイにレッスンを受けたこともあるのでデュボワをイザイの弟子とする説もあります。22歳の年にブリュッセル市からヴュータン賞を授与されてソリストとして本格的な活動を始め、1927年にはイザイの後任としてブリュッセル王立音楽院の教授陣に迎えられました。門下にアルテュール・グリュミオーがおり、現在では「グリュミオーの師」として言及されることの多いデュボワですが、第1次大戦と第2次大戦の間はベルギーを代表するヴァイオリニストとして高い評価を得ていました。このディスクではデュボワが遺した2曲の協奏曲録音を復刻し、その余白に小品を収めています。1曲目は、かつてケッヘルが番号を与えて「モーツァルトの第6番」として親しまれていたもので、ティボー、フェラス、カントロフといった名手も録音しています。エックの作と判定されてからは録音が減ってしまったのが惜しまれる佳曲です。ヴュータンの第5番は第2楽章はじめのアダージョ部分にグレトリの歌劇《ルシール》の旋律が引用されていることから「ル・グレトリ」のニックネームが付けられました。当初は課題曲として作曲されたものだけに、技巧的な見せ場の多い作品で、デュボワのテクニックの冴えと歌謡的な旋律での豊かなヴィブラートを伴った歌わせ方が魅力を加えています。格調高く描かれたヘンデルや、ヴィルトゥオーゾ的なイザイとクライスラーなどの小品群も、この演奏家の様々な魅力を伝えてくれます。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
1-3. 伝モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第6番 変ホ長調 K. 268
4-5. アンリ・ヴュータン(1820-1881):ヴァイオリン協奏曲第5番 イ短調 Op.37
6-9. ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調
10. ピエトロ・ナルディーニ(1722-1793):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 - アリア(イザイ編)
11. ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764):ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.9 No. - タンブーラン(ヘルマン編)
12. モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K. 334 - メヌエット(ヘルマン編)
13. ヴュータン:アルバムの綴り Op.40 - 第1番 ロマンス
14. ウジェーヌ・イザイ(1858-1931):ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調「バラード」
15. フリッツ・クライスラー(1875-1962):レチタティーヴォとスケルツォ
【演奏】
アルフレッド・デュボワ(ヴァイオリン)
ブリュッセル王立音楽院管弦楽団…1-5
デジレ・デファウ(指揮)…1-5
ジェラルド・ムーア(ピアノ)…6-9
フェルナン・フイエンス(ピアノ)…10-13
14,15は無伴奏
復刻プロデューサー: Eric Wen
復刻&マスタリング・エンジニア: Ward Marston
【録音】
録音/音源
1931年6月12日/LF X 201/03 (matrices LBX 83/87)…1-3
1929年9月27,28日/LFX 14/16 (matrices W 52031/36)…4-5
1947年10月27日/LCX 103 (matrices CLBX 160/61)…6-9
1929年9月26日/LF 2 (matrices W 33029)…10
1929年9月26日/LF 2 (matrices W 33030)…11
1931年6月13日/LFX 203 (matrices LBX 90)…12
1929年12月19日/D15144 (matrices WLX 700)…13
1947年10月27日/LCX 104 (matrices CLBX 162/63)…14
199年9月26日/LF3 (matrices W 33031/32)…15
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2024年06月25日 18:00