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デビュー作「ひゃくえむ。」劇場版が公開決定!「チ。」で話題の漫画家・魚豊の作品が幅広すぎる

「チ。―地球の運動について―」の大ヒットで一躍有名となった漫画家、魚豊。2024年の同作アニメ化に続いて、今年はデビュー作「ひゃくえむ。」の劇場版も公開が予定されている。そこで今回は、幅広い作風を持つ魚豊の作品をいくつか紹介しよう。

●新鋭気鋭の漫画家、魚豊の幅広い作風

魚豊の代表作ともいえる「チ。―地球の運動について―」は、15世紀ヨーロッパを舞台に、禁忌とされていた地動説を証明することに命を賭した人々の物語だ。

意外性があり話題になったのは、時代の流れとともに主人公が交代していくという点。主人公が変わっても「宇宙の真理を求める信念」は作品を通して継承され、宗教と科学の対立といった深いテーマが作品を貫く軸になっている。同作は日本科学史学会特別賞や手塚治虫文化賞マンガ大賞など、数多くの賞も受賞。名実ともに「名作」として読み継がれている。

「チ。」の前に描かれた連載デビュー作が、今回映画化される「ひゃくえむ。」。「ひゃくえむ」とは「100m」のことで、同作は100m走に魅せられた人々の情熱を描く青春ストーリーだ。人生をかけて狂気的に何かに取り組む人々を描く点は「チ。」と共通しているが、歴史的事実を背景にした「チ。」とはかなりテイストの違う作品となっていた。

さらに、魚豊は最新作で新たな境地も切り拓いている。2023年から連載が開始された「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」は、これまでの作風とは一転して、魚豊初のラブコメ作品に。

もちろん、魚豊のラブコメは一筋縄ではいかない。同作は「陰謀論」と「恋愛」という普通は結び付かないテーマを見事に両立させた作品だ。非正規社員として働きつつ人生に行き詰まりを感じていた主人公は、恋をして思い込みを暴走させる。「君の人生を阻んでいる黒幕がいる」などと丸め込まれ、陰謀論にハマっていく様子には、他のラブコメ漫画にはない生々しさがある。

2024年3月13日の「ダ・ヴィンチweb」のインタビューでは、魚豊は同作のテーマについて「今まで描いてきたのは『100m走』や『地動説』など社会で受け入れられているものに熱中していく人たちの物語でした」「今回は、社会的にあまり受け入れられていないものに熱中する人の物語に挑戦したいと思った」とコメント。魚豊らしいオリジナルな視点は、同作でもしっかり発揮されている。

そのほか、今年1月からは魚豊が原案を提供する漫画「Dr.マッスルビートル」が連載開始。こちらは「全人類をマッチョにする」という夢を持つジム経営者を描いた作品で、上述した作品とはさらに毛色が違うものに仕上がっている。

最新作「ようこそ!FACTへ」は昨年2月に完結。「ひゃくえむ。」の映画公開を待つ間に、ぜひ最新作をチェックし、魚豊の世界観に浸ってみてほしい。

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2025年04月14日 14:04

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