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インタビュー

RIZE

ブチ込まれたいならライブに来い!・・・・それにしても凄まじすぎる前戯『FOREPLAY』!!

 「このアルバムを作った時点で、間違いなく120%出しきったという確信めいたものもあるので、それだけでもう理屈抜きに誇り高いアルバムだと思うし、色褪せないものが作れたと思いますね」(金子統昭)

 「あっくん(金子)とオレは、去年のアルバム(ファースト・アルバム『ROOKEY』)を作っていろいろ感じたもの――マイナスの部分もプラスの部分も――全部踏まえて、ここまでやっとこれたなって、スゲエうれしくてしょうがない。とにかく多くの人の手元に渡ってほしいと思う」(Jesse)

 ファースト・アルバムからちょうど1年。新メンバー、U-ZOと中尾宣弘を迎え4人体制となったRIZEが、セカンド・アルバム『FOREPLAY』を完成させた。サウンドの密度や攻撃性は、前作をはるかに上回る勢いながら、肩の力は抜け、とてもシンプルに彼らの実力が発揮されたような作品。前述の2人のコメントにもあるように、恐るべきスピードでみずからの音の核心へと辿り着いた自信や達成感がどっしりと伝わってきて、実に頼もしい。
 
 「(音作りも)オレらはただ普通に、人間らしくやってました。たまたまオレらはバンドなわけで、たまたまオレらの武器は楽器と声なんで、ほかの職人さんと変わらないわけですよ。ラーメン屋の人だったら麺が命とか、花屋だったら水とか環境とかあるじゃないですか。だから、たまたまオレらは音楽やってるだけで、心意気はほかの職人さんと同じなんです」(Jesse)

 「音をすごく追及して、それでケンカとかにもなるんですけど、結局はいっつも人間的な部分というか精神論に行き着いちゃって、不思議と。でもそれはこの4人にとってすげえ自然だなって思ってるし、楽しいんですよね」(中尾)

「そう。かっこいいだけだったらただの〈音〉だけど、〈音楽〉は楽しんでやるもんだってことをこのアルバムを作って再確認できましたからね」(U-ZO)

 曲間のところどころには、レコーディング・スタジオの雰囲気がうっかり入っちゃったような、4人のやんちゃな会話や笑い声。一段とヘヴィーに、迫力を増したメッセージ性の強い楽曲との間に生じるこのギャップこそがRIZEの魅力であり、RIZEの〈素〉なのかもしれない。

 「たとえばさ、ビートたけしは自分の顔に鼻毛書いたり超胡散臭いかっこばっかしてるのに、作る映画とか小説とかはすっげえヤバイ。志村けんもそうだけど、ああいうとこがオレは天才だと思うし、オレらが求めてるのはそこだし。常にダサかっこいい。オレら地に足つけてるんだけど、でも頭は雲を突き抜けてて、やってることはハンパじゃないっていうかさ」(Jesse)

 ライヴでの大暴れぶりが目に浮かぶヘヴィー・チューンから美しいミディアム・ナンバー、そして大合唱のパーティー・ソングなど振り幅の広い全13曲に付けたタイトルは『FOREPLAY』。

 「これは〈前戯〉っていう意味で。恋愛にはセックスが大事だけど、その前にふれあいっていうのが大事じゃないですか。〈愛のないセックス〉って言葉ありますけど、愛のない前戯っていうのはあり得ないわけで。前戯はホントに好きな人相手じゃなきゃできないし。まあ、それは例えなんですけど、オレら4人、小4からの付き合いなんで、いいとこ悪いとこ含めて全部、ダチとしてスゲエ愛してるんで、そいつらと作ったアルバムってこと。で、オレら自称ライヴ・バンドなんで、CDは前戯でしかないと。だから本番いきたいなら、ブチ込まれたいならライヴに来い!と」(Jesse)

 「それ(ライヴ)も前戯だ!と言い切るぐらいの勢いで演りますからね(笑)」(金子)

PROFILE
 Jesse(ヴォーカル/ギター)と金子統昭(ドラムス)の2人に、女性ベーシストのTokieが加わり、97年に結成。下北沢を中心にライヴ活動を展開し、2000年のデビュー・シングル“カミナリ”をリリースするころには、そのパフォーマンスが多方面で話題となる。11月にはファースト・アルバム『ROOKEY』を発表、好セールスをマークする。2001年3月、Tokieに替わってU-ZO(ベース)、中尾宣弘(ギター)が加入。9月に“Light Your Fire”、11月に“Dream Catcher”とコンスタントにシングルを発表、12月5日には待望のセカンド・アルバム『FOREPLAY』をリリースする。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年04月25日 16:00

更新: 2003年03月07日 18:23

ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)

文/山田 邦子