インタビュー

LOVE PSYCHEDELICO

2001年、日本のポピュラー・ミュージックにとって最大の収穫であった前作『THE GREATEST HITS』発表から1年。ふたりがふたたび豊潤な音の果実『LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA』を届けてくれた!

 2001年の日本のポピュラー・ミュージックにおける、豊かな実り──その筆頭に『THE GREATEST HITS』というアルバム、そしてこの作品を作り上げたLOVE PSYCHEDELICOという存在そのもの、を挙げるのに僕はいささかのためらいもない。

2000年、それぞれ春・夏・秋の到来を祝福するかのようなタイミングでリリースされた“LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~”“Your Song”“Last Smile”の3枚のシングル、そして21世紀の到来とほぼ時を同じくして届けられた『THE GREATEST HITS』と題されたファースト・アルバム──作品を重ねるごとに、発見されたばかりの新大陸(〈新〉とはいうものの、元からそこにあるわけだ)の地理が徐々に解明されるかのようなスリルと興奮があった。ロックンロールの歴史のなかで次々に手渡されてきた聖火は、確実に彼らの手にも握られていて──そういう、ロックのオーソドキシーに対する敬意と愛情が溢れる音楽でありながら、多くの人はそこに圧倒的な新しさを感じとり(僕もその一人)、事実、広範囲なポピュラリティーを得たのだった。かの狂言師、野村萬斎が、自分の演じる伝統芸に対して「〈New〉ではなく〈Fresh〉」というような言葉でその新しさを表現していたが、まさしく同じことが言えようかと。そんな彼らが、セカンド・アルバムを完成させた。クリスマスに向かう高揚感が街を包みだした2001年12月初旬、彼らに会って話を訊く。

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掲載: 2002年05月16日 15:00

更新: 2003年03月06日 20:00

ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)

文/フミ・ヤマウチ