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インタビュー

Naughty By Nature

ビッグ・ヒットで堂々復活!! NBNは永遠に!!


 栄華を極めたラップ・アクトが──商業的成功と創造性を取り戻しながら──その座に返り咲くことは稀だ。しかし、ノーティ・バイ・ネイチャーは、3LWをフィーチャーしたシングル“Feels Good(Don't Worry 'Bout A Thing)”のロング・ヒットと、今回のアルバム『Iicons』によってその数少ない例外になりそうだ。昨年グループを脱退したケイ・ジーの関与は皆無だが、「俺たち2人だけで十分だって、これで証明できただろ?」と自信たっぷりに語るトレッチの言葉は、もちろん強がりや自己満足ではない。現在の彼らが備える勢いは、“O.P.P.”や“Hip Hop Hooray”を叩き出した、かつての黄金期を超えるほどのものなのだ。多彩なプロデューサー陣がカラフルなトラックを揃えたのも、今回の成功理由のひとつだろう。

「ああ。いろんなプロデューサーとやるのは初めてだったけど、確かに何もかもが新鮮だった。今回のアルバムからは、俺たちのヴィンテージな部分と、新しいフレイヴァーの両方を感じ取ってもらえるんじゃねえかな」(ヴィニー)。

「いっしょに仕事をする相手は、知名度とか出身地とかで決めたんじゃない。俺たちが必ずトラックを聴いて、ホットだと思ったものを採用した。だから新人の曲もあるのさ」(トレッチ)。

 また、アトランタのベース帝王ことリル・ジョンや、かつての姉貴分であるクイーン・ラティファ、さらにはピンクやカール・トーマスといったシンガーなど、かつてなく幅広いゲストをバランス良く配置しているのも、旧ノーティとは一味違う、新たな方向性を印象付けるものだ。

「去年の夏、LAに行ったときに、たくさんのラッパーやシンガーに〈新作でゲストに来てくれるヤツはいるか?〉ってペイジャーでメッセージを送ったんだよ。その時にカール・トーマスやピンクが返事をくれたんだ。ピンクはクールの一言さ。あるパーティーで出会った時に〈ずっとノーティの大ファンだったの~〉って告白されちゃってね」(トレッチ)。

 そういえば、ケイ・ジーとの別れのみならず、トレッチ個人は昨年ペパ(ソルトン・ペパ)と離婚したばかり。まさにすべてが新しく始まる準備が整っていたわけだ。

「関係ないね(怒)」(トレッチ)。

「そんなことより、俺らのプロデューサー・クレジットもちゃんと確認しろよ」(ヴィニー)。

「そうさ。本当のノーティらしさはここから始まるんだ。まあ、いままでのノーティらしさってのも、もともとは俺たち2人のスタイルなんだけど」(トレッチ)。

「ファンの皆ならとっくの昔にわかってるだろうけど」(ヴィニー)。

 すみません。今回まざまざとわかりました!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年06月27日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:22

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/出嶌 孝次